2010 Fiscal Year Annual Research Report
温灸によるタキサン系抗がん剤副作用の「しびれ」改善効果に関する研究
Project/Area Number |
21592749
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
辻川 真弓 三重大学, 医学部, 教授 (40249355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 和子 三重大学, 医学系研究科, 特任教員 (30185334)
吉田 和枝 三重大学, 医学部, 准教授 (40364301)
後藤 姉奈 三重大学, 医学部, 助教 (80420389)
岡本 実保 三重大学, 医学部, 助教 (30376313)
小幡 光子 三重大学, 医学部, 教授 (50264346)
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Keywords | タキサン系抗がん剤 / 副作用 / 末梢神経障害 / 温灸 |
Research Abstract |
【対象】パクリタキセルにより末梢神経障害を発症した患者9名【方法】火を使わない貼用タイプの温灸を用いて、8ヶ所の経穴に2時間/回、3回/週の温灸を、各人12週間にわたり患者自身が貼付した。温灸効果の評価には、主観的指標としてしびれに対する数量化尺度(NRS)や面談内容、POMS、SF8などを、客観的指標として触感覚、位置感覚、握力などの指標を用いた。POMS T得点およびSF8^<TM>得点はそれぞれ温灸介入前,中,終了後について,NRSは左右四肢それぞれ36回の温灸介入の前後変化を,Wilcoxon符号順位検定を用いて比較した。他に,患者自身が記載したお灸日記と定期的な面談内容も評価に加えた。【現在までの成果】対象者9名のPSは0~1と良好であり,しびれは全員に発症した。温灸はしびれ出現後12週間の予定で開始したが,完遂できた患者は5名であった。パクリタキセル治療期間中は,温灸を実施していても患者の自覚するNRSは上昇する傾向にあった。「しびれ」は温灸開始1週目もしくは2週目に,「感覚の低下」は2週目に,NRSの有意な低下がみられたが,他は有意な変化は認めなかった。面談の結果から,温灸の効果を自覚した患者は6名であり,自覚できなかった3名は,温灸施行中の一時的な効果と判断していた。【今後の課題】パクリタキセルに伴う末梢神経障害に対して,補完代替療法として温灸を行った結果,しびれ出現早期の温灸介入が有効となる可能性が示唆された。現時点では対象数が少ないため、今後は介入群・対照群を設定し対象数を増やすくことに重点をおきたい。
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Research Products
(1 results)