2009 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄県におけるがん患者の在宅療養支援ネットワーク構築に向けた包括的調査研究
Project/Area Number |
21592759
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
照屋 典子 University of the Ryukyus, 医学部, 助教 (10253957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂川 洋子 国立大学法人琉球大学, 医学部, 教授 (00196908)
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Keywords | がん看護学 / 在宅緩和ケア / 在宅療養移行 / 退院調整 |
Research Abstract |
目的】がん患者の在宅療養を促進するための課題について検討することを目的とした。 【方法】沖縄県内200床以上の施設に所属し、がん医療に携わる医師、並びにがん患者の在宅移行支援に関わる看護師、MSWを対象とし、同意を得た上で質問紙調査を行った。調査内容は、基本的属性、がん患者の在宅移行支援の現状、在宅移行支援で困難と感じる事柄等である。対象者のうち医師84名(56.0%)、看護師144名(80.4%)、MSW29名(78.4%)より有効回答が得られ、分析を行った。 【結果】 1) がん患者の在宅移行にあたり、約6割以上の医師が、「緩和ケアに関する情報提供」や「最期に希望する療養についての考えを聴く」、「在宅移行に向け試験的に外出・外泊を勧める」等の支援を行っていた。また在宅移行にあたって困難を感じることとして、「家族の介護体制・介護負担」や「地域における診療所・訪問看護ステーションの不足」を挙げていた。 2) がん患者の在宅移行にあたり、約7割の看護師は、「速やかに退院調整を行う」、「病状や治療の理解度の把握」等の支援を行っていた。また在宅移行にあたって困難を感じることとして、「患者・家族関係の調整」や「家族の介護体制・介護負担」「地域における診療所・訪問看護ステーションの不足」を挙げていた。 3) がん患者の在宅に移行にあたり、約7割のMSWは、「緩和ケアに関する情報提供」、「病状や治療の理解度の把握」、「最期に希望する療養についての考えを聴く」等の支援を行っていた。また在宅移行にあたって困難を感じることとして、「家族の介護体制・介護負担」「退院を促すタイミングを計る」を挙げていた。 【結論】がん患者の在宅療養の促進にあたっては、地域療養体制の整備、並びに家族の介護負担を軽減し介護体制を強化するための対策を立てる必要性が示唆された。
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