2011 Fiscal Year Annual Research Report
2型糖尿病患者の自己効力感の維持に寄与する糖尿病自己管理教育
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21592766
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
白水 真理子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (60228939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間瀬 由記 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (60256451)
杉本 知子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (00314922)
奥井 良子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (10554941)
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Keywords | 糖尿病 / 看護学 / 自己管理教育 / 自己効力感 / 糖尿病教育プログラム |
Research Abstract |
糖尿病教育プログラムを実施している8施設にて糖尿病看護のライセンスを持つ看護師の協力を得て、2型糖尿病の参加者を対象に、自己効力感と負担感の推移を追う前向き調査を実施した。 ベースラインと受講終了1か月後時点のデータがそろった分析対象は、8施設の80名であった。対象の60.0%は過去に糖尿病教育を経験していたが、ベースラインのHbA1cは10.3%と高値であった。教育プログラム受講後は、BMIやHbA1cが有意に低下していた。教育プログラムの感想において「糖尿病の状態を判断する指標について学んだ」「自分の生活スタイルのどの部分をどのように変えるのか相談できた」「療養に関して目標や基準を決めた」等の項目が高得点であった。さらに受講後も約半数は看護師に相談したり学習の機会をもっており、自己効力感は「積極性」が上昇していた。これらのことからBMIやHbA1cの改善は、治療の強化の影響とともに、参加者が受講を機に自己管理の方法を見直し、望ましい療養法を実施していることが作用したと推察できる。 成人患者はベースラインと1か月後において老年よりもBMIとHbA1cの値が高く、自己効力感の「積極性」「合計」が老年に比べて低かった。これは就業している者が多いことから、療養と仕事との両立が難しいことが影響していると考える。成人は1か月後のBMIとHbA1cが有意に低下し、自己効力感の「積極性」「合計」が有意に上昇していた。成人では、受講後1か月の時点では積極的に療養に取り組んでいるといえる。 一方老年の患者は1か月後においてHbA1cが低下しているにもかかわらず、自己効力感は変化がなかった。老年はベースラインと1か月後において自己効力感が成人よりも高く、診断されてからの年数が長いことから糖尿病の療養法に慣れていること、無職の割合が高く療養法に取り組みやすいことが影響していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育プログラム受講者の1か月後の血糖コントロールや健康指標、自己効力感の推移を分析し、また成人期と老年期における特徴を分析することができたため。 標本数は十分とは言えないが、1年後の追跡データの回収および、追加して計画した面接調査を予定通り実施しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は教育プログラム受講者の1年後までの追跡調査の分析、および自己効力感に影響する要因の検討を行う。また、2型糖尿病患者を対象に実施した「糖尿病の自己管理の自信を支えているもの」に関する面接調査のデータ分析に取り組む。これまでの研究成果をまとめ、実態調査、質問紙調査および面接調査のフィールドに報告するための報告書を作成する。
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Research Products
(1 results)