2011 Fiscal Year Annual Research Report
「外来治療を受けるがん患者のエンパワメントを促進する看護モデル」の臨床適用の検討
Project/Area Number |
21592770
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
片岡 純 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (70259307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 照美 佐久大学, 看護学部, 准教授 (90261932)
森本 悦子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 准教授 (60305670)
広瀬 会里 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (90269514)
尾沼 奈緒美 愛知県立大学, 看護学部, 講師 (00295627)
堀田 暢子 (永田 暢子) 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (10438856)
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Keywords | がん / 外来 / エンパワメント / 看護モデル / 看護学 / アクションリサーチ |
Research Abstract |
1.研究目的:「外来で治療を受けるがん患者のエンパワメントを促進する看護モデル」に基づく援助プログラムを外来化学療法を受ける患者に実践し、その過程と効果の評価からモデルの臨床実践への適用について検討する。 2.研究方法:3つの調査協力施設に、研究者と施設の外来看護師からなるアクションリサーチチーム(ART)を結成した。そして、施設の外来看護師が、看護モデルに基づく援助プログラムを計画立案し実施した。適宜、援助プログラムを実施しての問題点、改善点について、ARTメンバーで定期的に査定、検討し、援助プログラムの改訂を行った。また、ARTメンバー看護師による自己の看護実践に対する内省について、グループインタビューで明らかにした。平成23年度は最終年度であり、援助プログラムの実施と看護師による評価を継続するとともに、援助プログラムによる看護を受けた患者の取り組み・エンパワメント・受けた看護に対する評価を質問紙調査によって明らかにした。3.結果:各施設の外来看護師の配置状況やケアの提供システムが異なることから、看護モデルの適用方法には施設の特徴が反映された。ARTメンバー看護師による援助プログラムの評価を質的記述的に分析した結果、【患者への対応に自信が持てるようになった】、【患者が看護師を名前で呼ぶようになり、患者-看護師間の関係が深まる】、【患者に名前で呼ばれることで看護師として認めてもらえたうれしさがある】などの気づきがあることが明らかとなった。また、援助プログラムによる看護を受けた患者に対する質問紙調査を行い(有効回答数117名)、看護に対する評価と患者の取り組み、および看護に対する評価とエンパワメントの相関を解析した結果、看護援助と患者の取り組み、ならびにエンパワメントに有意な関連があることが示された。4.考察:看護モデルは看護師が行う行為を意味づけ自信を持ったケアの提供につながることが示唆された。
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