2009 Fiscal Year Annual Research Report
喉頭摘出者の心理的・社会的適応の経時的変化とソーシャルサポートの因果関係
Project/Area Number |
21592779
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小竹 久実子 Juntendo University, 医療看護学部, 准教授 (90320639)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362472)
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
岩永 和代 福岡大学, 医学部・看護学科, 講師 (40461537)
高橋 綾 埼玉県立大学, 医療福祉学部, 講師 (70331345)
寺崎 明美 福岡大学, 医学部・看護学科, 教授 (50163910)
|
Keywords | 喉頭摘出者 / 心理的適応 / ソーシャルサポート / QOL / がん看護 |
Research Abstract |
【目的】喉頭摘出者の心理的適応、社会適応のプロセスを経時的に明らかにし、そのプロセスの各段階にどのような支援(social support)が必要であるかを明らかにすることである。【研究方法】縦断調査(術前、退院前、退院3カ月後、退院6カ月後、退院1年後)を東京200例、九州100例実施する予定。調査内容は、心理的適応:NAS-J-L、informal support : MOS(Medical Outcomes Study)、formal support : HPSQ-25、QOL : SF-36v2 36項目、基本的属性(年齢・性別・術後経過年数・家族構成・手術名・手術日)、会話手段(食道発声・電気喉頭・シャント発声・筆談・ジェスチャー)の獲得状況と会話時間数、社会復帰の有無、患者会参加の有無と回数/月である。倫理審査は、東京が癌研有明病院IRB&SRBで承認、九州は、福岡大学病院・久留米大学病院で承認。九州大学病院は2月に審査通過。術前に口頭で調査の内容と方法を説明し、退院後は郵送調査とする。【結果】現在69名が協力参加したが、途中死亡3名、調査協力撤回2名、住所不明1名で63名が調査を継続。そのうちの有効回答55名を解析対象とした。平均年齢64.1歳(range : 39-82)、男性50:女性5名、家族構成は2名52.7%、1名15.4%の順であった。退院前は筆談者94.3%、ジェスチャー42.8%であった。退院前に患者会入会していない88.6%、11.4%が入る気はない1会があることを知らなかったと回答。心の健康は術前&術後の有意差はみられず、患者会会員の心の健康(58.2±10.6)よりも、術前(45.2±10.4)・術後(43.8±10.2)ともに有意に低かった(P<.0001)。不安・うっは、術前(75.8±17.5)・術後(76.0±15.5)共に患者会(85.3±17.0)よりも低かった。下咽頭がんの喉頭摘出者が6名みられ、退院前の段階で味覚・嗅覚障害、嚥下困難、浮腫、頸部の可動域制限など生活に支障のある状態であった。無職50%で退院後の就職の斡旋をしてほしいとの意見があった。【考察】対象年令39歳からで、手術後の職業選択の問題は大きい。退院後の生活支援体制を強化する必要性が示唆された。
|
Research Products
(5 results)