2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代の健康を担う女性の葉酸摂取強化に向けた食育ガイドラインの構築
Project/Area Number |
21592803
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
渡邊 浩子 Shiga University of Medical Science, 医学部, 教授 (20315857)
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Keywords | 葉酸 / 食育 / 女性 |
Research Abstract |
【研究の意義】厚生省(現;厚生労働省)は妊娠可能な女性に対して、神経管閉鎖障害のリスクを低減するために葉酸400μg/日の摂取を推進している。しかし、若い女性の食への関心は薄く、葉酸摂取量は推奨量を大きく下回っている。それ故、葉酸摂取を強化した食育への取り組みが急務である。【目的】葉酸摂取を強化するための食育ガイドラインを構築する【方法】参加同意者を無作為に介入群、非介入群に2群に割付する。介入期間は12カ月。介入群に4カ月毎に計3回、葉酸強化に向けた食育パンフレットを配布する。介入前後に血中葉酸濃度、血中ホモシステイン濃度、精神健康度(うつ病自己評価尺度:CES-D日本語版)を測定【結果】応募者162名、分析対象者158名。介入群79名、非介入群79名を無作為に割付。全対象者の平均年齢は20.6±3.7歳、平均BMI20.9±2.8kg/m^2。平均血中葉酸濃度8.8±4.0ng/ml、平均血中ホモシステイン濃度11.2±3.1μmol/l。平均葉酸摂取量は253.0±133.3μgで、推奨量240μg/日を満たしていない者が52.8%であった。平均CESDは15.1±9.1であり、16以上のうつと診断される者が45.9%であった。葉酸推奨量を満たしていない者の平均CESDスコアは17.7±9.3であり、満たしている者12.1+8.0に比べて有意に高い値を示した(p<0.001)。1日の葉酸摂取量を知っていると答えた者は2.5%、厚生省(現:厚生労働省)が提示している「葉酸ガイドライン」を知っていると答えた者は1.9%であった。【考察】若い女性の葉酸に関する認知度は極めて低く、約5割が葉酸摂取推奨量を満たしていない状況にある。推奨量を満たしていない者ほどうつ状態にあり、葉酸摂取量が精神健康度に影響を与えていることが示唆された。現在、介入群に対して食育パンフレットを配布し、葉酸摂取を促す介入を実施中である。
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