2011 Fiscal Year Annual Research Report
へき地保健医療計画における公平なアクセス改善を評価する指標の開発
Project/Area Number |
21592854
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
波多野 浩道 鹿児島大学, 医学部, 教授 (50164851)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兒玉 慎平 鹿児島大学, 医学部, 講師 (80363612)
|
Keywords | へき地保健医療計画 / アクセス改善 / 孤立小型離島 / 群島属島 / サービス利用度 / サービス利用可能性 / 保健師 |
Research Abstract |
調査対象地域として孤立大型離島の1島、群島属島の2島を加え、2年目までの研究で明らかになった、アクセス改善を評価する指標とその利用度および利用可能性の精緻化を試みた。 予備調査の段階で、仮想的価値評価法を用いた住民の意向調査は、サンプリングによる代表性のあるデータが複数島で揃わないことがわかったので、1島当たり複数集落での聞き取り調査から、サービス利用者の利用度を促進する要因、阻害する要因を探索した。供給側の機能評価調査については、これまで考慮していなかった保健師とその活動の影響を資料・面接調査から探索し、供給側からの利用度の精緻化を検討した。利用可能性の精緻化については、医療だけでなく介護についても、GISによる時間距離を捉えられるソフトウェアで検討した。 需要側への聞き取り調査から、離島性の高い孤立小型や群島属島の住民が自律性の高い健康観を有し、受療でも入院外の利用度にその受療行動は反映しているものの、同じ島内でも集落間でへき地医療対策による医療施設(へき地診療所等)の選好性は異なっていた。医療サービスについては、外来と入院を分けることで、精緻化が可能であった。選好性を考慮した精緻化は今後の課題である。 保健師活動については、人口対配置数には反映しない、活動の質、特に住民とのパートナーシップが形成されていると考えられる場合に、ヘルスケアへのアクセス達成度(修正利用度/修正利用可能性)に影響すると考えられた。介護サービスについての利用可能性については、対象とした島嶼部ではサービスの種類も量も限られるため、サービス種別の重みづけまでは得られなかった。以上より、考案したへき地保健医療計画策定を評価する指標を一定程度精緻化することができた。
|
Research Products
(3 results)