2009 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・嚥下機能低下がみられた脳血管疾患患者への介護予防のための前向き介入研究
Project/Area Number |
21592878
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
馬場 みちえ Fukuoka University, 医学部, 准教授 (60320248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畝 博 福岡大学, 医学部, 教授 (40122676)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 准教授 (90291822)
喜久田 利弘 福岡大学, 医学部, 教授 (50153044)
梅本 丈二 福岡大学, 医学部, 講師 (30320287)
兼岡 秀俊 福岡大学, 医学部, 教授 (20161169)
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Keywords | 嚥下障害 / 脳血管疾患患者 / 嚥下訓練 / 口腔ケア / チーム医療 / 患者指導 |
Research Abstract |
21年度の研究は、1.急性期における脳血管疾患と嚥下障害に関する先行研究と福大病院の脳血管疾患患者の嚥下障害の実態、2.嚥下リハビリのチーム医療の可能性について検討を行った。 先行研究から急性期における嚥下機能に関するアセスメントやリハビリ、食形態の選択など不明な点が多いことが明らかとなった。そこで2007年4月1日~2009年3月31日の福大病院神経内科診療録情報から嚥下障害の機能程度やリハビリについて入院患者168人(男119人、女49人)の実態を明らかにした。結果は、脳血管疾患患者のうち嚥下障害有り群は46人(27.3%)、平均年齢72.6歳、このうち初発患者が40人(86.9%)であった。無い群では、116人(69.0%)、平均年齢67.2歳、このうち初発患者100人(86.2%)であった。入院直後のNIHSS平均点数では、有り群14点、無い群8点であった。嚥下障害有り群の平均入院期間は29.0日、無い群は21.2日であり、退院先は有り群が転院31人(67.4%)、自宅9人(19.6%)、無い群のそれは、32人(27.6%)、66人(56.9%)であった。結論として福大病院の脳血管疾患患者は初発患者が約90%を占め、70歳前後の若い患者が多かった。急性期病院で早期からの嚥下障害アセスメント、リハビリなどチームで十分な体制を整えることが重要であることが明らかになった。次にチーム医療の可能性の検討は、嚥下に関してNST研究会を3回開催した。その結果、院内の医療従事者は嚥下訓練への関心が94%と高いことが明らかになった。よって22年度の研究は、福大病院に入院した脳血管患者を対象に嚥下機能の低下の有無と生活活動量、身体的精神的健康の関連要因を明らかにするとともに、嚥下リハビリ・口腔ケアに関するチーム医療のパス作成に取り組む予定である。
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