2010 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・嚥下機能低下がみられた脳血管疾患患者への介護予防のための前向き介入研究
Project/Area Number |
21592878
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
馬場 みちえ 福岡大学, 医学部, 准教授 (60320248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畝 博 福岡大学, 医学部, 教授 (40122676)
坪井 義夫 福岡大学, 医学部, 准教授 (90291822)
喜久田 利弘 福岡大学, 医学部, 教授 (50153044)
梅本 丈二 福岡大学, 医学部, 講師 (30320287)
兼岡 秀俊 福岡大学, 医学部, 教授 (20161169)
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Keywords | 嚥下障害 / 脳血管疾患患者 / 嚥下訓練 / 口腔ケア / チーム医療 / 患者指導 |
Research Abstract |
平成22年8月から23年3月まで急性期病院に入院した29人の脳卒中患者をリクルートし、嚥下機能測定、生活活動量の測定とについて調査し、回復過程の観察を行った。 本対象急性期病院では、初発の軽症者の入院が多いため嚥下機能低下した患者が少なく、嚥下機能を測定の必要がある患者が少なかった。その中で1名ワレンベルグ症候群患者について脳卒中で重度の摂食・嚥下障害から回復期病院で正常摂食が可能となった事例についてチームでの介入方法を検討した。 次に脳卒中患者の生活活動量を測定では、脳卒中発症期においてせん妄状態が起こることがあり、睡眠/覚醒状態との関連を検討した。睡眠/覚醒状態の生理学的検討を行うために、携帯型身体活動測定器(Actigraph)を用いて睡眠時間や睡眠時活動量を測定した。対象者は、2010年8月~2010年3月まで大学病院に入院した脳卒中初発患者29人中のうち、意識障害がなく、せん妄状態がみられた3人とした。今回の指標として1日の総睡眠時間、およびActigraphが判断した睡眠時間、睡眠時活動量として睡眠時体動活動指数を用いた。対象者の平均年齢は67歳、男1人、女2人(今後A、B、Cであらわす)であった。主病名はAが心原性脳梗塞、Bは心原性脳梗塞と動脈硬化性脳梗塞、Cは原因不明脳梗塞であり、入院時NIHSSは、A4点、B5点、C13点であった。いずれも睡眠薬の服用はない。 発症1日めの総睡眠時間は、Aが94分、連続の睡眠時間が65分であり、Bではそれぞれ1045分、216分であり、Cでは748分、95分であった。Aは総睡眠時間が短く、BやCでは総睡眠時間は長いもののいずれも連続の睡眠時間も短くなっていた。睡眠時体動活動指数でみると、Aは1日め87、2日め63、3日め24、Bは1日め66、2日め59、3日め62であり、Cは1日め37、2日め53、3日め41であった。睡眠時体動活動指数は、50を超すとかゆみや痛みなど交感神経の興奮で睡眠時活動量の高いことを表す。結果として脳卒中発症時にせん妄がある患者は、連続の睡眠時間が短く、睡眠時活動量が高い可能性が示唆された。今後さらに症例を増やすことと詳細な分析を行っていきたい。
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Research Products
(3 results)