2009 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアにおける倫理的ジレンマへの対処を促す支援プログラムの開発と有効性の検討
Project/Area Number |
21592885
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
伊藤 隆子 Chiba University, 看護学研究科, 講師 (10451741)
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Keywords | 在宅ケア / ケアマネジャー / 倫理的ジレンマ / 支援プログラム |
Research Abstract |
平成21年度の目標は、「在宅ケアにおける倫理的ジレンマへの対処を促すための支援プログラム」素案を作成することであった。そのためにまず、国内外の在宅看護、在宅ケア、訪問看護、地域看護、及びソーシャルワーク領域等における倫理的ジレンマに関する文献レビューを行った。次に平成21年7月に千葉大学大学院看護学研究科の倫理審査委員会の承認を得て、同年9月北海道富良野地区12カ所の地域包括支援センター、居宅介護支援事業所および訪問看護ステーションの協力のもと、自由意思による参加のあった17名のケアマネジャー4~5名を1グループとし、1グループあたり約90分のインタビューを実施した。インタビュー内容は許可を得てICレコーダーへ録音し、録音したデータは鍵のかかる書庫へ保管し個人情報の保護を厳守した。インタビュー内容は業者に依頼して逐語に文字起こしを行い分析用データとした。逐語録から倫理的ジレンマが表現されていると判断したケアマネジャーの認識や経験を抜き出し、先行研究(伊藤2008)で導出した、ケアマネジャーのモラルディストレスの因子である【役割達成不全感】【家族関係調整困難感】【利用者の危険予測感】【社会的支援受領感】【制度上の運用制限感】【利用者主体という倫理感】【役割発揮の差し引かえ感】【役割発揮義務感】【役割不確定感】のカテゴリーを参考に分類した。このグループインタビューから、ケアマネジャーの経験するモラルディストレスの因子の確認ができたと同時に、少人数性の事例検討会で個人的な経験を語り合うことの意味も確認できた。これらの結果を踏まえ、平成22年度も引き続き、支援プログラムの精錬を行う予定である。
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