2010 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアにおける倫理的ジレンマへの対処を促す支援プログラムの開発と有効性の検討
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21592885
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
伊藤 隆子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部・看護学科, 准教授 (10451741)
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Keywords | ケアマネジャー / 倫理的ジレンマ / モラルディストレス |
Research Abstract |
本年度は、多様な受験資格や教育背景を持つ介護支援専門員(以下ケアマネジャーとする)が経験する「在宅ケアにおける倫理的ジレンマ」が引き起こす心理的負担感をモラルディストレスとして捉え「モラルディストレスの程度を測定する質問紙」を検討した。WAMNETから全国の居宅介護支援事業所を検索し、層化比例法にて1000事業所を選定し、現職のケアマネジャーを対象に郵送無記名自記式質問紙調査を実施した。質問紙はケアマネジャーの経験や思い、考え、職場満足感を含む。回収された質問紙は434票(回収率43.4%)であった。その所属事業所は86.9%が居宅介護支援事業所、地域包括支援センター9.4%であり、事業主体は医療法人97ヶ所(22.4%)、社会福祉法人88ヶ所(20.3%)であり、介護予防事業を受託している事業所は302ヶ所(69.6%)であった。回答したケアマネジャーの属性は、女性345名(79.5%)、男性85名(19.4%)、年齢50代153名(35.3%)、40代124名(28.6%)、30代102名(23.5%)であった。経験専門職(複数回答有)は介護福祉士218名、ホームヘルパー128名、看護師91名、ついで相談員、社会福祉士、保健師、歯科衛生士、栄養士であった。質問項目ごとにクロス集計をした結果、性差で有意差があったのは〈家族が家族の役割を果たしていないと腹が立つ〉〈困難事例に何度訪問しても介護報酬につながらないとむなしい〉は男性のほうが肯定的に回答した。年齢別では若年者のほうが〈利用者宅を訪問するのがいやになる〉〈家族の信頼を得られないとゆううつになる〉〈周囲から取り残された気持ちになる〉〈ケアマネには向いていないと思う〉〈医師との情報交換は緊張する〉〈重要な決定を期待されるのは負担である〉〈どうすることもできない無力感を感じる〉などに肯定的に回答した。学歴別では〈今の仕事は自分の技能や能力を活かすことができ満足している〉などの職務満足感の質問項目で高学歴者ほど否定的であった。
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Research Products
(1 results)