2011 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ケアにおける倫理的ジレンマへの対処を促す支援プログラムの開発と有効性の検討
Project/Area Number |
21592885
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Research Institution | Chiba Prefectural University of Health Sciences |
Principal Investigator |
伊藤 隆子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部・看護学科, 准教授 (10451741)
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Keywords | ケアマネジャー / 倫理的ジレンマ / 支援プログラム |
Research Abstract |
本年度の目的は、修正版「倫理的ジレンマへの対処を促す支援プログラム」(以下支援プログラム)を実施し、その有効性を検討することである。【方法】研究対象者はA県内の居宅介護支援事業所に所属する現職のケアマネジャーである。この支援プログラムは事前にケアマネジャーに実践の場で経験する倫理的ジレンマを含む事例を記述し提出してもらい、グループワークにて事例検討することが中心である。3回のセッション(約3週間毎、半日コース)では、1.介護支援専門員の基本的倫理、2.価値と価値の対立構造を見抜く、3.倫理的ジレンマに対処するには、という講義の後、事例検討を行い、ワークシートを用いてケアマネジャー自身の心理的負担の状況の言語化を促し、実現可能な行動計画を立てて行くという構成である。申請者が講義を行ない、研究協力者と共にファシリテーターの役割を担い、ジェノグラムやエコマップ作成による事例の読み説きをし、リフレクションを促した。第1回目のセッション開始前と第3回目終了時に、「一般性セルフエフィカシー尺度GSES」「日本語版バーンアウト尺度」「精神健康調査(日本版GHQ28)」、先行研究で修正した「モラルディストレスの程度を測定する質問紙」で比較検討した。【研究成果】A県の全居宅介護支援事業所1300ヶ所へ研究協力の公募をかけ、42名の現職ケアマネジャーが研究に参加した。3回とも出席した38名を分析の対象とした。その属性は女性29名男性9名、40代18名30代8名60代8名50代7名であった。参加前後を比較した結果、BMI(バーンアウト)の個人的達成感が有意に高くなっていた。GHQ28については、身体的症状、不安と不眠に関して若干低くなっていたGSES(セルフエフィカシー)は変化しなかった。アンケート結果では、「参加者間の相互作用」「運営者の関わりの適切さ」「内容は今後活用できる」がより肯定的回答が多くなった。以上より本支援プログラムはケアマネジャー支援に有用であり、研修等で活用することの意義が示唆された。
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Research Products
(2 results)