2009 Fiscal Year Annual Research Report
身体合併症ケア能力強化のための精神科看護師実践プログラムの開発とその評価
Project/Area Number |
21592896
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤野 成美 Kyushu University, 大学院・医学研究院, 講師 (70289601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 仁 広島大学, 保健学研究科, 教授 (40311419)
鳩野 洋子 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20260268)
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Keywords | 身体合併症 / 精神科看護師 / 実践プログラム |
Research Abstract |
本研究は精神科看護師の質向上の一端を担う,身体合併症ケア能力強化を重視した看護技術習得のための実践プログラムの開発を最終的な目標として研究を行うものである。平成21年度は、精神看護師における身体合併症ケアを困難にしている複合要因とニーズの明確化を目的としたインタビュー調査、及び身体合併症ケアにおけるフィジカルアセスメント能力の実態調査を実施した。まずインタビュー調査においては、精神科看護師が行う身体合併症ケアの臨床判断における困難さに着目し,どのようにして看護ケアの方向性を導いているのか,臨床判断の特徴を明らかにすることを目的として質的帰納的分析を行った。調査対象はA県内の2施設の単科の精神科病院に勤務しており, 研究協力の得られた精神科勤務歴2年以上の看護師20名であり、半構造化インタビューを行った。倫理的配慮として、研究者が所属する大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会と研究協力施設倫理審査委員会の承認を得て実施した。その結果、研究協力者は男性10名,女性10,平均年齢は38.4歳,精神科看護経験年数は平均11.3年であった。身体合併症ケアの臨床判断における困難さとして<患者の特性><フィジカルアセスメント能力の不足><「いつもの患者」との相違を察する臨床判断の難しさ><精神科特有のエビデンス><看護師の心理的障壁><施設の設備に関する問題>があげられた。また,身体合併症ケアに重要方略として<信頼関係の構築><実践知から得られたスキル><五感を働かせた患者理解><危機回避への対応><スタッフ間の情報共有>を日常的に積み重ねることが必要不可欠であることが明らかとなった。身体合併症ケアにおけるフィジカルアセスメント能力の実態調査は、研究計画に沿って分析を進めている。
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