2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者家族の「意思決定モデル」の検証と決定プロセスでの家族システム変動の研究
Project/Area Number |
21592927
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
柳原 清子 Tokai University, 健康科学部, 教授 (70269455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松坂 由香里 東海大学, 健康科学部, 講師 (70346021)
岡部 明子 東海大学, 健康科学部, 准教授 (90287053)
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Keywords | がん患者の家族 / 意思決定モデル / 家族関係認識 / 家族システム変動 / コンフリクト / 家族システム理論 |
Research Abstract |
本年度は、研究者たちが試案した「がん患者家族の意思決定モデル」を研究会および学会で発表して、そこでのディスカッションを通して検証と再検討を行っていった。議論の焦点は本モデルで定義した『関係認識』の存在である。一般の意思決定モデルでは『状況認識』『自己認識』は既に明らかになっており、『関係認識』は『状況認識』の中に家族の『関係』の認識として含まれているでは、という論点であった。家族の意思決定は、<(患者を含む)家族メンバーの合意形成>と同義のことである。とすれば、家族メンバー各々が3つの認識に立って、その人々の態度(家族文化)を伴って意思決定が進行していくモデルが必要となることがわかり、モデルで使う概念は同様ながらも、モデルの形を改訂した。改訂版は論文化し、現在投稿準備中である。 もう1つの課題である、意思決定時の家族システム変動の研究は、20ケースあまりの事例分析を通して、家族のコンフリクト状態と、システムシンキングの概念を使って説明できつつあり、ケース分析として紹介しつつ、解説論文で公表してきた。 この研究の意義は、家族看護がまだ新しい学問であることもあり、臨床では家族看護を患者以外の人々を支援することと認識しがちであるが、実は患者を含むその家族を丸ごと支援していくのが家族看護で、家族をシステム的にとらえていくことに支援の本質がある。したがって、家族システムの変動の様相を研究することは、家族看護が何を行い、何を目指した学問なのかを探求することでもあった。
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Research Products
(9 results)