2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21600001
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
河谷 正仁 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00177700)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮井 和政 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60283933)
伊藤 登茂子 秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50241675)
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Keywords | 膀胱 / 痛み / パルスレーザー照射 / 炎症 / 頻尿 |
Research Abstract |
蓄尿で膀胱が伸展するのに伴い内側にある上皮細胞はATPを分泌する。このATPは骨盤神経知覚神経終末を興奮させ、排尿反射がおこる。これまでの研究から小胞体からのCa2+の細胞内上昇がATP分泌をおこす。この小胞体Ca2+が枯渇すると貯蔵量作動性Ca2+が流入しこれは逆にATP分泌を抑制した。これは貯蔵量作動性Ca2+がアデニル酸シクラーゼタイプ6を抑制しATP分泌を抑えている機構が存在した。この抑制機構は膀胱伸展に応じてATPを分泌し続けるに役立っている可能性を示した。 膀胱炎がおきると膀胱内にはPGE2分泌量が増加し、同時に頻尿・骨盤部痛が認められる。これはATPなどにより膀胱知覚神経の活動が高まったと考えられている。低出力ダイオードレーザーは痛み局所へ照射でその信号がなくなることが知られている。ダイオードレーザー(830nm)をパルス照射することにより局所への熱効果をもたらさず組織深部の到達させることが可能となったことを利用しラット仙部の後方から膀胱からの知覚神経に照射し排尿反射への影響を検討した。生理食塩水を膀胱灌流しておこした排尿反射にはレーザー照射が影響ないことを確認し、PGE2(10^<-5>M)または0.1%酢酸水で膀胱を灌流すると、排尿反射は亢進し、排尿間隔は短縮した。この状態でパルスレーザーの照射(6.7W/cm^2、10mson,90msoff,3min)は排尿反射の間隔を延長させ、ほぼ生理食塩水灌流を行なった時と同じ排尿間隔となった。従来の持続レーザー照射(0.67W/cm^2,3min)では排尿間隔の延長は認められなかった。 したがって膀胱でPGE2が求心性線維の終末を刺激して排尿反射の亢進がおき、これは膀胱からのC線維の活動により排尿反射が亢進すると考えられ、仙部パルスレーザー照射は骨盤神経の求心性線維のなかでも膀胱異常知覚をつかさどるC線維を抑制すると予測された。
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