2009 Fiscal Year Annual Research Report
損傷神経に誘導される新規蛋白がイオンチャネル活動調節・痛み情報伝達に果たす役割
Project/Area Number |
21600002
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
横山 茂 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (00210633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 弘明 金沢大学, 保健管理センター, 教授 (10272981)
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Keywords | 神経損傷 / イオンチャネル / 痛み |
Research Abstract |
1.成体ラットの左坐骨神経を切断し、3-7日後に近位側断端および健常な右坐骨神経幹からmRNAを抽出した。cDNA合成の後、サブトラクション・ハイブリダイゼーション法を行い、これまでにcDNAクローン約150個を得て部分塩基配列を決定し、GenBank/EMBL/DDBJに登録されているデータと比較した。この中から分泌性タンパクをコードすると推測されるもの2種を今後の解析の対象に選び、組換え型融合タンパクとして大腸菌に大量発現させた。現在可溶化のための界面活性剤の選択を含む精製条件を検討している。精製後は、今後膜電位依存性Na^+チャネルの発現増加あるいはK^+チャネルの発現低下をもたらすかどうか調べる。 2.インターロイキン6(IL-6)が髄鞘の主要タンパク成分であるPMP22(peripheral myelin protein 22)のの発現レベルを上昇させる活性を持つことを、ラット初代培養シュワン細胞を用いて示した。さらに、この細胞内情報伝達がJAK2(Janus Kinase 2)依存的であることも示した。IL-6は損傷坐骨神経で発現誘導されることから、損傷・脱髄変化を生じたAβ線維の髄鞘再構築過程に関与するとともに、活動電位の伝播に影響を与える可能性が示唆された。(Ito, T., Ikeda, K., Tomita, K., and Yokoyama, S.Neurosci. Lett.472, 104-108, 2010)
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