2010 Fiscal Year Annual Research Report
博物館体験に関する長期記憶研究に基づく新たな博物館評価の構築
Project/Area Number |
21601002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
湯浅 万紀子 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (60182664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 寛之 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (30202112)
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Keywords | 博物館評価 / 来館者研究 / 記憶 / 博物館教育学 / 認知心理学 / 面接調査 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
本研究は、博物館教育学の研究者と認知心理学の研究者による学際的共同研究として、科学館の存在意義を社会に示す新たな評価手法の開発に向けて、科学館体験の長期記憶を多面的かつ体系的に調査することを目的としている。2010年度においては当初の研究計画を発展させて、次の調査と分析を行い、学会発表を2回行った。 *北海道大学総合博物館の来館者で前年度からの調査協力者35名に対して、来館1年後に、博物館体験の記憶を問う質問紙調査を実施した。更に同館に来館して展示解説を受けた2つのグループ(中学生と大学生)に対して、展示観覧直後と1ヶ月後、半年後に同様の質問紙調査を実施した。また、北海道大学と神戸学院大学の学生530名と、関西地域の高齢者125名にも質問紙調査を実施し、何れもデータ入力と個別の量的な分析を終了した。 *北海道大学総合博物館の来館者で前年度からの調査協力者16名に1年後の面接調査と質問紙調査を実施した。更に、今年度新たに15名の本学学生に、展示観覧直後と1ヶ月後、半年後に同様の調査を実施した。録音の書き起こしとデータ入力、個別の量的な分析を終了し、評定作業の一部を終了した。 *北大総合博物館来館の思い出のエッセイをHPとポスターで募集した。22年度末までに市民や博物館ボランティア、学生11名からエッセイが寄せられた。翌年度実施分と併せて分析する。 *前年度に実施した全国科学博物館協会に登録されている234の科学館職員の質問紙調査の回答者のうち、注目すべき回答をした2館5名の職員に面接調査を実施し、書き起こしを終了した。 *関連する文献研究と、識者1名(国立科学博物館小川義和氏)にヒアリングを行い、研究を進める上での示唆を得た。 *博物科学会と日本科学教育学会年会で学会発表を行い、社会における博物館の役割を考える上で重要な新しい研究であるとの評価を得た。
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