2009 Fiscal Year Annual Research Report
粘土を主成分とする機能性分子を担持したハイブリッド膜の分子設計と作製
Project/Area Number |
21605006
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
榊原 和久 Yokohama National University, 工学研究院, 教授 (80114966)
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Keywords | 粘土 / ラジカル捕獲 / ハイブリッド膜 / 環境ナノ粒子 / ラジカル同定 |
Research Abstract |
モンモリロナイトを主成分とした粘土膜にラジカル捕獲剤として、スピントラップ剤PBN(α-Phenyl-N-Tert-butylnitrone)か、安定ニトロキシルラジカルを坦持させたラジカル捕集膜を作成し、実験室系で様々なラジカルを発生させて、ラジカル捕集膜で捕獲し、ラジカル捕獲物の安定性、捕獲したラジカルの定量をESR分析により行った。従来の方法では、ラジカル付加物の寿命が数秒程度であり、ラジカルの同定が困難であった・OHラジカルや・CH_2OHでもラジカル捕集膜を用いることで、ラジカル捕獲物の安定性が飛躍的に増大し、数ヶ月にわたって粘土膜中にそのままの状態で存在することを確認することができた。この事より、環境中の活性酸素に由来する生体への毒性が高いことが知られている・OHラジカルの分析や定量への応用が可能であることを確認することができた。 また、ディーゼル排ガス中に含まれる粒径が50nm以下の環境ナノ粒子は、喘息や腫瘍の発現に深く関わっていることが、国立環境研での生物実験で明らかにされており、その生体毒性の原因解明の必要性が言及されているので、ラジカル捕集膜を用いて、ディーゼル排ガス中の環境ナノ粒子にラジカル成分が存在するか実験を行った。粘土膜作成時にゼオライトを加えることで、膜表面に数μ程度の孔を有することが可能であり、ラジカルが分子全体にできるだけ非局在化した安定ニトロキシルラジカルを粘土膜中に坦持させておけば、環境ナノ粒子中を効率的に捕獲し、数ヶ月にわたって安定にラジカル付加物を保存できることを確認することができた。
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Research Products
(3 results)