2010 Fiscal Year Annual Research Report
粘土を主成分とする機能性分子を担持したハイブリッド膜の分子設計と作製
Project/Area Number |
21605006
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
榊原 和久 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (80114966)
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Keywords | 無機-有機複合粘土膜 / ラジカル捕獲 / 環境ナノ粒子 / 活性ラジカル種同定 / ラジカルスカベンジング / 安定ラジカル / 活性酸素種ラジカル / LDI-Mass分析 |
Research Abstract |
ラジカル捕獲剤としてDPPH(1,1'-diphenyl-2-picrylhydrazyl)や安定ニトロキシル分子のような安定ラジカルを用い、ラジカル捕獲剤を粘土膜中に坦持させたラジカル捕集膜を使って短寿命活性ラジカルを捕獲した場合、得られた反磁性物質のラジカル捕獲物は粘土膜中で少なくとも1ケ月の安定性を保ち、同定やラジカル濃度の測定分析の間に変性、分解が起きないため、環境中の活性ラジカル種の分析に極めて有用であることが分かった。特に、ラジカル捕獲剤としてDPPHのように芳香環を分子内に多く持ち、可視部に吸収極大を持つ安定ラジカルを用いた場合、LDI-Mass(Laser Desorption Ionization-Mass Spectrometry)法によるソフトイオン化による質量分析が可能であることが確認でき、活性ラジカル種の同定に極めて役に立つことが分かった。また、ラジカル捕集粘土膜の環境分析への応用を広げるためには、活性ラジカルに対する捕獲能の向上とラジカル付加物の安定性を向上させることが重要になってくるが、このためのラジカル捕獲剤の分子設計の指針としては、安定ニトロキシル基の両側に存在することとなる官能基の立体障害の大きさと、不対電子を非局在化により安定化させることを上手にバランスさせることが肝要であることが分かった。そこで、今年度の研究では、ニトロキシル基の片側は立体障害の大きなt-butyl基、反対側には不対電子の非局在化がスムースに起こると考えられるAnthryl基を持つ安定ニトロキシル分子を合成してラジカル捕獲剤として用い、これまでの実験で用いてきたラジカル濃度よりも低い、実際の環境中で存在するであろうラジカル濃度での捕獲分析実験を行い、生体毒性を持つ活性ラジカル種の環境中での分析が可能となるようラジカル捕集膜の改良に努めたいと考えている。
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Research Products
(5 results)