2009 Fiscal Year Annual Research Report
発達障害への早期介入を妨げる要因の分析と改善に向けた検討-幼児健診の現場から-
Project/Area Number |
21610006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
木村 留美子 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (90169946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能登谷 晶子 金沢大学, 保健学系, 教授 (30262570)
高野 陽 北陸学院大学, 幼児教育学科, 教授 (60083747)
井上 克己 金沢大学, 保健学系, 准教授 (00176421)
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Keywords | 発達障害 / 幼児健診 / 保健師 / 早期介入 |
Research Abstract |
本研究は、子どもの発達の遅れや歪み、障害等による問題行動を早期に発見し、早い時期から有効な介入を行い、子どもの健やかな発達を保障することを目的に実施した。そのために、まず発達障害等の早期発見・介入を阻害する要因の検討を目的に1.6歳と3歳児の幼児健康診査を実施している保健師長と保健師を対象にスクリーニングの実態を質問紙により調査した。質問紙の作成にあたっては、予備調査として保健師からの聞き取りや資料収集などを行った後に、数回班会議を開催し質問紙の作成を行った。調査依頼では直接県庁の担当部局や保健センターに出向き説明と依頼を行い、了解が得られた施設に対して調査を実施した。調査用紙の回収期間は一月末までとし、母子保健担当の保健師長と母子保健の健診実施担当保健師から回答を得た。回答は144施設の保健師長と499名の保健師から得られた。回収された調査用紙は回答の有効性の検討や自由記載の分類を行い、パーソナルコンピュターを用いEXCELに入力中である。分析はJMP6.0により実施予定である。次年度は、本結果を基に母子担当保健師からのインタビューを予定しているが、質問紙の自由記載の整理を行った結果、「健診項目には発達障害の発見は義務づけられていない」「1歳6ヶ月での発見は困難」「健診の体制に問題がある」、また「発見後の支援体制に問題がある」などさまざまな問題が浮かび上がり、今後の幼児健診のあり方の見直しに必要な課題が確認された。また、保健師は短時間の健診の中で、保護者に関わる事項よりも子どもの状態の観察を重視する傾向が強いことも明らかとなり、このような実態を鑑みれば保健師のスクリーニング技術能力の向上が今後一層求められるものと考える。
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