2011 Fiscal Year Annual Research Report
ネパール人小児の身体活動量および栄養素等摂取量が身体組成の変化に及ぼす影響
Project/Area Number |
21610026
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
中尾 武平 九州共立大学, スポーツ学部, 助教 (90522300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大柿 哲朗 九州大学, 健康科学センター, 教授 (20101470)
斉藤 篤司 九州大学, 健康科学センター, 准教授 (90195975)
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Keywords | 小児 / ネパール / 身体組成 / 身体活動量 / 栄養素摂取量 / 発育発達 / fat-free mass index / fat mass index |
Research Abstract |
本年度は、平成21年度から平成22年度の調査項目の解析を行った。データは、3-18歳までの丘陵地(Kotyang村)小児約1,600名、都市部(Kathmandu、Bhadrakali地区)の約600名である。分析項目は、身長、体重、皮下脂肪厚7部位、周径囲7部位の計測値に加え、除脂肪量、体脂肪量などの身体組成である。また、歩数調査による身体活動量、質問紙法による食餌調査から算出した摂取エネルギー量についても検討した。主な結果は下記の通りである。1)丘陵地小児の身長、体重、体格(BMI)は、都市と比べて男女とも6歳以降で顕著に低い値を示した。2)体格差を考慮した身体組成をみると、除脂肪成分(FFMI)に地域差は認められなかった。3)体脂肪成分(FMI)は、男女とも丘陵地小児が低い値を示した。また、両地域の小児は、全年齢において、わが国の小児(福岡市)より顕著に低い値を示した。4)7-12歳の丘陵地小児の日常的歩数は、男子16,524歩/日、女子14,899歩/日、都市では男子13,312歩/日、女子10,903歩/日であり、両地域に3,000歩程度の地域差が示された。5)また、両地域の歩数は、わが国の農村部(東北地方)より3,500~4,500歩、都市(東京都)より1,000歩程度高い値であった。6)7-14歳小児の日常の摂取エネルギー量は、丘陵地800~1,100kcal/日、都市1,300kcal/日程度であった。これら両地域の摂取エネルギー量は、わが国の5-7割程度であった。さらに、6)蛋白質、脂質、炭水化物の摂取率(PFCバランス)をみると、丘陵地9:25:65、都市14:40:45であった。丘陵地は、蛋白質の摂取率が極端に少なく、都市部は、脂質の摂取率が多い傾向が示された。現在も解析は継続中であるが、身体活動量や栄養素摂取状況などの生活環境の違いによって、子どもの発育発達は様々な影響を受けることが明らかとなりつつある。
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