2009 Fiscal Year Annual Research Report
水分子拡散スペクトル画像法の開発による正常および病態脳における生体内組織評価
Project/Area Number |
21613010
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
ジェフリー カーショウ National Institute of Radiological Sciences, 分子イメージング研究センター, 准技術員 (50508801)
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Keywords | 水分子拡散 / 拡散MRI / 変調傾斜磁場 / 小脳 / 短拡散時間 / 高磁場MRI / ラット / oscillating gradient |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳における水分子の挙動を反映するNMR信号の特徴付け(characterization)を行うために、変調をかけた「動き検知用傾斜磁場(MPG)」を使った「拡散スペクトル・イメージング(DSI)」の方法論を開発し、またその精度を確認する事である。その適用として、まず刺激が導出する神経賦活に関する神経生理学的現象とNMR信号関係についての更なる理解を得るために、BOLD効果による脳機能画像法(fMRI)の研究に集中する。平成21年度は、MRIを使用した実験と理論面の2つに対して次のように実施した。【実験】(a)拡散スペクトル・イメージング(DSI)の実装について。拡散スペクトル・イメージング・シークエンスを作成し、実験用7T-MRI(Bruker社製・Para Visionシステムソフトウェア)に実装することに成功した。生体に見立てたファントムおよび均一な微小粒子によって水分子拡散を調節されたin vitroでのサンプルについて、計測してシークエンスの稼働を確認した。(b)DSIを安静時のラット脳の水分子の動きについて、in vivoにて適用した。正常Sprague-Dawleyラット(180-320g)を使用し、拡散異方性に富んだ小脳を対象臓器に選定して、画像を得る事に成功した。(c)DSIを脳機能MRI(fMRI)の研究に適用する予備実験として、BOLD信号を利用した従来のfMRI実験に必要なラット前肢刺激実験系(麻酔下)および計測系に関して、固定法や麻酔方法を最適化し、とりわけpCO2のより安定的な制御法について、一定の水準に達した。(d)DSIで得られたデータを解析するためのソフトウェアとして、MatLabソフトウェアを用いて自作した。2.理論モデルに関する研究として、不均一な材質に対するDSI適用について理論モデルを作成した。
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Research Products
(5 results)