2010 Fiscal Year Annual Research Report
水分子拡散スペクトル画像法の開発による正常および病態脳における生体内組織評価
Project/Area Number |
21613010
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
ジェフリー カーショウ 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (50508801)
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Keywords | 水分子拡散 / 拡散MRI / 変調傾斜磁場 / 小脳 / 拡散時間 / 高磁場MRI / ラット / oscillating gradient |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳における水分子の挙動を反映するNMR信号の特徴付けを行うために変調をかけた「動き検知用傾斜磁場(MPG)」を使った「拡散スペクトル・イメージング(DSI)」の方法論を開発し、またその精度を確認する事である。 本年度は、Oscillating gradientシーケンスの作成と多様なin vitroサンプルでのテストに続いて、in vivoイメージングの実施を行った。(a)正常ラット脳において、in vivoで組織Characterizationを行った。高磁場7T-MRIを用いて、ラット小脳を撮像し、拡散異方性を持つ白質繊維における水分子の挙動を228もの異なる方向からの傾斜磁場をかけて調べた。計測結果の信頼性と再現性を改善するために、撮像手法を最適化した。さらに、データ解析方法と、そのための後処理ソフトウェアの改善を行い、撮像5分後に解析が完了するよう改良された。その結果、小脳白質、小脳灰白質、視覚野および連合線維において、25-133Hzの変調周波数において、平均拡散の上昇が観察された。一方、fractional anisotropy(FA)値は、小脳白質のみで減少が観察された。現在、この結果の解釈を検討している。(b)血液がどのように結果に影響するかを調べるために、常磁性血管内造影剤(例えばUSPIO)を使って、血管内からの信号寄与を変化させて撮像した。(c)組織の微細構造が変化する病態(gliosarcomaやneuroblastoma)のラットモデルに、本法を適用するために、免疫不全ラットと腫瘍細胞種について調査し、予備的な検討を行った。理論面での検討に関しては、(a)組織の微小環境の変化を定量的に抽出するための計測技術の開発を試みた。
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Research Products
(4 results)