2011 Fiscal Year Annual Research Report
水分子拡散スペクトル画像法の開発による正常および病態脳における生体内組織評価
Project/Area Number |
21613010
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
KERSHAW Jeffrey 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (50508801)
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Keywords | 拡散スペクトル / MRI / 脳機能画像 / BOLD / 拡散係数 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳における水分子の挙動を反映するNMR信号の特徴付け(characterization)を行うために、変調をかけた「動き検知用傾斜磁場(MPG)」を使った「拡散スペクトル・イメージング(DSI)」の方法論を開発し、またその精度を確認する事である。昨年度までに、Oscillating gradientシーケンスを用いて、生きたままラット頭部の撮像に成功した。小脳白質、小脳灰白質、視覚野と連合線維において、Oscillating gradientの25-133Hzを超えるレンジにおいて、mean diffusivity(MD)が有意に増加した。一方で、fractional anisotropy(FA)は、小脳白質においてのみ、Oscillating gradientの周波数の減少が観察された。本年度は、統計的処理に必要な十分なデータ収集の追加およびデータ解析を行い、組織の微細構造について定量的な解析を行い、拡散時間の短いものと長いものとで、異なった信号源があることが推定できた。この結果は、組織の水の動きにおいて、「制限された拡散仮説」と一致することが示唆され、これらの結果をまとめて論文を執筆し国際誌に投稿した。この研究は、見かけの拡散異方性の変化を提示する最初のOscillating gradientを用いた研究になり、DSIの基本的コンセプトの提示に成功した。併せて、派生的な研究として、拡散脳機能画像法において磁化率に異方性がある事を見出し、そのメカニズムに関する初期的な検討も実施した。
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