2011 Fiscal Year Annual Research Report
がんの超早期発見・早期治療を可能にする複合機能化MRI造影剤・抗がん剤の基礎研究
| Project/Area Number |
21650108
|
|---|
| Research Institution | Shizuoka University |
|---|
Principal Investigator |
山下 光司 静岡大学, 創造科学技術大学院, 特任教授 (60110748)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
竹原 康雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 准教授 (70188217)
中村 悟己 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (20377740)
岡野 孝 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (90194373)
藤江 三千男 浜松医科大学, 技術部, 技術専門職員 (90397373)
|
|---|
| Keywords | がん早期発見 / がん早期治療 / MRI造影剤 / リン糖抗がん剤 / 複合機能化 |
|---|
| Research Abstract |
当該研究課題において、(1)がんを選択的に描出できる糖デンドリマー型MRI造影剤、(2)新規なリン糖抗がん剤、(3)抗がん剤とMRI造影剤の複合化に関する基礎研究を行った。
平成23年度は、(1)に課題において、現在臨床使用されているMRI造影剤のMagnevistを糖で化学的に修飾し、高感度のMRI造影剤を開発した(目標:Magnevistの10倍の高感度、血管貯留性)。(i)生体内分子認識機能を有する糖残基を外殻に持つ堅い構造の芳香族系配位子のGd-DTPA錯体を「非加水分解経路」により調製し、縦緩和度(r1)約20[sec^<-1>・mM^<-1>の新規なMRI造影剤を開発した。また、(ii)「加水分解経路」による糖残基を外殻に有するDEN-OH(rl≒35[sec^<-1>・mM^<-1>])を開発した。しかし、調製の再現性・最適化、スケールアップ条件の設定には至らなかった。(2)リン糖抗がん剤(目標:単剤による様々な種類のがんの治療)では、現在臨床使用されている抗がん剤Gleevecの10～1000倍高い活性、広いスペクトル等優れた性質の「多標的型分子標的抗腫瘍剤」を開発した。分岐リン糖トリブロモ誘導体(TBMPP)の立体構造の解析に成功した。TBMPPは、様々な種類のがんの細胞周期に関与するがん化促進因子のCdc25Bの発現を抑制することを発見した。それ故、リン糖誘導体は、「様々な種類のがんの有効な治療薬」になり得る。また、TBMPPを界面活性剤やリボソーム等に内包化して水溶性化に成功し、動物実験を開始した。CPhI Japan2012展示発表、論文発表及び新聞報道された。(3)抗がん剤とMRI造影剤の複合化の研究(目標:抗がん剤の送達及びがん治療の可視化)では、糖デンドリマー型Gd-DTPA錯体のターミナル部を糖及びリン糖誘導体で複合化し、そのin vitro評価を行い、がんを選択的・特異的に画像化し同時に治療を開始する新規な複合機能材料の基礎データを得た。本格的開発研究は今後の課題である。
|
-
[Journal Article] Synthesis and evaluation of novel phosphasugar anticancer agents2012
Author(s)
Mayumi Yamaoka, Mitsuji Yamashita, Manabu Yamada, Michio Fujie, Keita Kiyofuji, Nobuhisa Ozaki, Kazuhide Asai, Taishi Niimi, Takuya Suyama, Junko Yamashita, Akiho Sawada, Reiko Makita, Masaki Sugiyama, MitsuoToda, Satoki Nakamura, and Kazunori Ohnishi
-
Journal Title
Pure and Applied Chemistry
Volume: 84(1)
Pages: 37-48
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
