2011 Fiscal Year Annual Research Report
平賀譲文書を活用した産業技術史研究と新しいWeb技術による研究手法の開発
Project/Area Number |
21650230
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大和 裕幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50220421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安達 裕之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20012495)
松本 三和夫 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (50157385)
小野塚 知二 東京大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (40194609)
稗方 和夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (80396770)
鈴木 淳 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (80242048)
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Keywords | 平賀譲 / 産業技術 / 海軍 / 技術史 / 軍産学複合体 |
Research Abstract |
本研究では平賀譲デジタルアーカイブが所蔵する史料を対象とし、デジタルアーカイブにおける史料研究を支援するシステムを構築した。この研究の背景として、デジタルアーカイブは歴史史料をインターネットで広く一般に公開しているが、それら既存システムの多くが史料の閲覧機能の提供に留まっており、調査結果の保存や史料の比較、研究者間の情報共有といった史料研究を行うには十分な機能を有していない。 開発したシステムは史料の探索・蓄積・考察の三部構成でウェブ上に構築される。研究者は史料の書誌情報が保存された共有データベースから史料を取得する。外部アーカイブに所蔵される史料についても、その書誌情報をシステムにアップロードすることによって検索対象として扱うことができる。それら史料に対する調査結果は各研究者に与えられるデータベースに保存され、史料の比較や検討が行われる。さらに本システムは汎用な外部ツールであるEvernoteと連携することにより、個別の研究から得た知見を複数研究者間で共有できる環境を構築した。 史料が持つ情報はセマンティックウェブ技術を用いて管理される。各史料はRDFモデルによって記述し、史料名や作成年月日といった書誌情報を保存するためのメタデータと、調査メモや編集者名といった調査結果を保存するためのメタデータを持つ。また研究に必要な歴史事象に関する知識をひとつのオントロジーを用いて定義した。本研究では平賀文書で用いられる戦艦名や人名といった基本概念の上下関係、またそれら基本概念に関する同義語を定義し、それを辞書として用いることにより、研究テーマに即した関連史料の網羅的な検索や比較を支援する。 ケーススタディとして、書籍で紹介されている戦艦「長門」の煙突本数減少の原因追究に関する歴史研究をシステム上で再現した。また電気溶接に関する研究を二名のユーザによって再現し、グループ研究におけるシステムの有用性を検証した。
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Research Products
(11 results)