2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21652005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
櫻井 義秀 北海道大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50196135)
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Keywords | 限界<寺院・神社・教会> / 地域社会 / 過疎 / 過密 / 浄土真宗大谷派 |
Research Abstract |
平成23年度は、真宗大谷派北海道教区北第三組札幌地区から6ヶ寺に調査を行った。知見としては、1)寺院の檀家数は数百軒と多く、住職・副住職以外に役僧を置く寺院もある。寺院と檀家・信徒との関わりは、過疎地域のそれとは大きく異なり、葬儀・年忌法要等の法務に限定され、月忌参りを受けない檀家も少なくない。2)都市型寺院は、社会教化や次世代への信仰継承の促進においても地方の寺院とは異なり、育児サークルや地域住民に本堂や施設を貸したり、住職独自の企画を行ったりするなど、寺院側からの仕掛けが功を奏している事例が見受けられる。 神社については、平成23年10月28-29日夕張郡栗山町・長沼町・夕張市の角田神社、長沼神社、夕張神社、11月19日に江差の姥神神社の4社を調査した。神社と地域の過疎に関して所見をまとめれば、1)同じ地域の寺院と異なり、地域の神社は信徒圏(氏子)が極めて広い。地域住民は地域の氏神の氏子とみなされ、地域の自治会が氏子の総代会を兼ねていることが多い。2)中核的神社が周辺の無住神社や小祠の祭祀も兼務するので担当する神社の総数は多い。3)旧産炭地域の神社は寺院同様過疎化の影響を直接受けており、後継者を立てられない状況に追い込まれている。 キリスト教および新宗教の教会施設に関しては、実態調査には及んでいない。北海道内のキリスト教教会のダイレクトリーを作成したのみであり、今後調査を継続したい。 以上、北海道地域における限界〈寺院・神社・教会〉の調査を一通り終えることができ、報告書も2冊刊行できたので十分な成果をあげたものと考えている。
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Research Products
(14 results)