2010 Fiscal Year Annual Research Report
現代英国社会における「法」と「文化表象」のナラティブの反射関係
Project/Area Number |
21652029
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
虎岩 直子 明治大学, 政治経済学部, 教授 (50227667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279)
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Keywords | 法の語り / ナラトロジー / 陪審員制・裁判員制 / 会話分析 / エスノメソドロジー / 法とフィクション / 英国の裁判 / 歴史と物語り |
Research Abstract |
本研究の目的は「法」と「文学(映画・テレビドラマ)」との関係を<ナラティブ>による共同体の文化表象という同一性において捉え、法のナラティブ的規範性と文学の想像的ナラティブとの異種交配のトランスレーション過程から、新たな共同体の倫理を探求するということであり、文学テキストと実際の法行為をナラティヴとエスノメソドロジーの観点から分析するということが主たる方法である。 本年度、研究代表者は計画通り、夏季にイギリスに滞在し、イギリスの裁判を、特に多民族共存から発生する犯罪に注目して傍聴、実際法廷での「語り」の考察例を用意した。結婚によって英国に入ってきた外国人が離婚に際してどのような条件があれば英国での居住権を確保できるかという問題にかかわるものである。 バリスター兼ジャッジのClaire Jenkins氏のインタヴューも引き続き行い、このインタヴューの概要と注を予定通り平成22年度にまとめて出版した。また、12月に韓国で開催された韓国英文学会にて、小説、演劇、詩という文学のさまざまな形式で表現された歴史的事件とフィクションの関係を考察するワークショップを企画し、他2名の研究者と発表した。 研究分担者は「医療の「患者参加」の共訳し、解説を執筆した。医療者と患者とのインフォームドコンセントの問題に深くかかわっており、法と契約の問題である。それが行われるコミュニケーションの分析について、会話分析を用いていた。患者の主体的に語る病のストーリーをどのように医療者が掬い取っていけるのか、という問題を含む法と病の語りの分析である。
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