2009 Fiscal Year Annual Research Report
熟達化の視点に立つ説明的文章読解のメタ認知的知識に関する研究
Project/Area Number |
21653065
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中條 和光 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 教授 (90197632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 督 兵庫教育大学, 大学院・学校教育研究科, 准教授 (80153394)
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Keywords | 教育系心理学 / 認知科学 / 文章理解 / メタ認知 / 教師教育 |
Research Abstract |
この研究では,(1)説明的文章の読解に関するメタ認知的知識を記述するツールを開発し,児童生徒の説明的文章読解の発達的変容を調べること,(2)読解指導に関するメタ認知的知識を測定するツールを開発し,教員志望学生や教師を対象として,熟達化に伴うメタ認知的知識の変容を調べることを目的とする。初年度として,以下を実施した。 1. 児童の説明的文章読解のメタ認知的知識測定ツールの開発:読解方略質問紙(犬塚,2002)をもとに,小学生用の読解方略質問紙(質問項目数28個)を作成し,小学校4,5,6年生368名を対象に,読解方略使用と読書経験との関係を調べる調査を実施した。次年度に向けて,各学年の方略使用の実態及びそれぞれの学年における読書経験と方略の使用との関係について分析中である。 2. 大学生を対象とする説明的文章の読解方略使用実態調査:一般的な学習方略(伊藤,2002)と説明文の読解方略(犬塚,2002)を取り上げ,大学生を対象に,学習の自己効力感や達成動機と方略使用との関係を調べた。自己効力感と方略使用とに関連があること,自己効力感が高いほど適応的な方略を使用することなどが見いだされた。方略使用を自己制御できることは,適応的熟達の観点から重要なことであり,次年度以降の読解指導の熟達化について考える上で重要な示唆が得られた。成果の一部を「大学生の学習方略使用と達成動機,自己効力感の関係」として所属機関の紀要論文にまとめた。
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Research Products
(1 results)