2010 Fiscal Year Annual Research Report
開発途上国Early Child Developmentへの心理臨床モデルの適用
Project/Area Number |
21653069
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
青木 紀久代 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 准教授 (10254129)
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Keywords | 地域援助 / 心理教育 / 乳幼児期への支援 / 国際協力 / ECD / ECCE / 介入プログラム |
Research Abstract |
【今年度の目的】昨年度試行的に作成した、親子の関係性促進に焦点を当てた早期発達プログラムを、本格的に実施し、実践の中で、その効果や、継続実施の課題の抽出を行うこと。【方法】対象は、アジアの一都市の貧困地区にて、昼食の無料配給を行う福祉施設に通う1-2歳の子どもと親34組。7月、研究協力者と共に現地にて実施方法等を検討し、1グループ10組を基本に、週1回、12週1タームのプログラムとした。各回の内容は、マニュアルに従って実施できるよう、実施者に説明と事前トレーニングを1週間行った。その後3か月に渡り、研究者が現地に赴き、実施のフォローを行った。あわせて参加者に対して行われたベースライン調査について、今後も現地で継続的な管理・活用が可能なように、データベースの構築も行った。【結果】ベースライン調査(7月):対象は、プログラム参加者(親38名、子22名)。育児ストレスをPSI-SF、子どもの社会情緒をCBCLを用いて評価。その結果、育児ストレスは、下位尺度のうち、親子の関係性の領域である「PCDI」において、17名(44.7%)が臨床群に相当する95%タイル以上に含まれた。また、社会情緒面でハイリスクとされた子どもは、内在化型問題19名(86.4%)、外在化型問題7名(31.8%)、総合14名(63.6%)だった。参加者評価(11月):プログラムの改善を目的とし、参加者である親と運営スタッフに対して実施。参加者の97%が「親子関係がより親密になった」と評価し、プログラムの目標の一部は概ね達成された。何よりも、全ての親が「親自身が楽しめた」と回答した。ただし、あるアクティビティは、想定された年齢の能力に達しない子どもが多く、改善を要することが明らかとなった。運営スタッフへのヒアリングから、より高い年齢層(3~5歳)の子どもへもプログラムを拡大する要望があり、次年度の課題とされた。
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Research Products
(14 results)