2009 Fiscal Year Annual Research Report
暗号領域における信号処理 -暗号化された信号を処理する技術の開発-
| Project/Area Number |
21656099
|
|---|
| Research Institution | Kyushu Sangyo University |
|---|
Principal Investigator |
宮崎 明雄 Kyushu Sangyo University, 情報科学部, 教授 (70192763)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 祥光 久留米高専, 制御情報工学科, 准教授 (60290847)
黒崎 正行 九州工業大学, 情報工学部, 助教 (80404094)
|
|---|
| Keywords | 情報通信工学 / 情報セキュリティ / 信号処理 / 画像処理 / 暗号・認証 / 公開鍵暗号 / 準同型暗号 / 電子透かし |
|---|
| Research Abstract |
今年度の実施計画に対する研究成果は次の通り。
1.信号処理の基本演算としてコンボリューション(たたみ込み)演算、その逆問題としてデコンボリューション演算がある。ここでは、情報通信や画像処理の分野で現れるブラインド・デコンボリューションの問題について検討を行い、信号や画像の歪みモデルが未知ではあるが、その平均や共分散などの統計的性質が既知あるいは推定可能な場合(制約条件が最も少ない場合)について、EMアルゴリズム(Expectation-Maximization Algorithm)を用いた解決法を提案した。このアプローチにより電子透かし検出システムの補正アルゴリズムを与えた。
2.暗号領域における信号処理において重要な役割を担う準同型性を有する暗号(準同型暗号)について調査し分類整理を行った。特に、乗法性の準同型性をもつRSA暗号と加法性の準同型性をもつPaillier暗号について調査・研究を行った。また、RSA暗号とPaillier暗号について、鍵生成と暗号化、復号のアルゴリズムをソフトウェアで実装し、動作確認および準同型性の確認を行った。
3.RSA暗号の乗法的準同型性を利用して、暗号領域において画像の注目領域を抽出するという応用事例を示した。Paillier暗号の加法的準同型性を利用して、暗号領域おいてデータの統計処理をするという応用事例を示した。また、電子透かし入り画像の準同型暗号による暗号化(スクランブル)と、暗号領域における電子透かしの検出について検討を開始した。
4.暗号領域における信号処理の実験的検証を行うため、画像伝送システムおよび無線伝送システムの環境整備を開始した。
|
