2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21658011
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 宗孝 京都大学, 農学研究科, 准教授 (40301246)
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Keywords | セントポーリア / トランスポゾン / hATスーパーファミリー / 突然変異 / F3'5'H / アントシアニン / 花色 / 組織培養 |
Research Abstract |
セントポーリア、'タミレス'はピンク(ペラルゴニジン)の花弁に青色(ペオニジン)のスポットを持つ品種であり、斑点の発生はF3'5'Hのプロモーター部に挿入されているhATファミリーのトランスポゾンンが切り出されることによる。本品種は葉ざしでの変異率は低く、組織培養を行うと40%程度の高い変異率が観察されている。本研究では以下のことを明らかにした。 1.茎頂培養あるいはin vitroでの定芽繁殖によって頻発する青色変異株はほとんどがL1層のみが変異した周縁キメラである。in vitro環境では定芽による繁殖でも変異が発生するが、L2層の変異は起こりにくい可能性が考えられた。 2.組織培養変異を誘発する候補物質として糖を考え実験を行った。少なくともスクロースは変異原とは考えにくかった。グルコースは変異率を上昇させたため、今後再現性の確認を行う。 3.不定芽誘導時に用いるベンジルアデニンが強い変異原になっている可能性が考えられたため、濃度条件を変えた実験を行う必要が考えられた。 4.In vitroとex vitroでの不定芽繁殖個体の変異率を比較したところ、ex vitro(葉ざし)では変異率は極めて低かったのに対し、in vitroでは40%程度であり、昨年までの実験の再現性を得ることができた。 以上のことから'タミレス'での組織培養変異の機構が明らかになりつつあり、抗変異原性物質の探索のためのモデル植物として大きな進展が見込まれる。
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