2010 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス阻害因子遺伝子導入・異種移植による潜在的卵母細胞救命法創出
Project/Area Number |
21658092
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
眞鍋 昇 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80243070)
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Keywords | アポトーシス / アポトーシス阻害因子 / 卵胞 / 顆粒層細胞 / 卵巣 / 卵巣内潜在的卵母細胞 / カスパーゼ / 細胞死リガンド・受容体 |
Research Abstract |
体細胞クローン動物の作出、この技術を活用した遺伝子改変動物の作出(プリオン遺伝子KOウシ等)など様々な動物発生工学・生殖医療技術が編み出されてきたが、これらに用いる卵母細胞は不足しており、その確保は急務である。申請者は、哺乳類の卵胞・卵母細胞の死滅を調節している数々の細胞内因子を同定し、その制御機構を解明してきており、いくつかの因子が細胞死を阻害することで卵胞・卵母細胞の死滅を調節していることを明らかにしてきた。本研究では、これらの細胞死阻害因子の遺伝子を食肉処理場で得た卵胞上皮細胞に導入して閉鎖を阻害し、これを異種移植して救命して利用する潜在的卵母細胞救命法を創出しようとしている。細胞死阻害因子を調節している因子の探索とその分子制御機構の解明を進めとともに阻害因子の発現を人為的に調節することで卵胞・卵子の救命が可能であることを確認したので、家畜の卵巣組織細片への一過性の遺伝子導入、卵巣組織細片の凍結保存、凍結融解後の組織細片の異種移植(免疫不全マウスの腎漿膜下腔)、そこでの卵胞発育の誘導と導入遺伝子に起因する蛋白の確認、ならびにこのようにして得た卵子の体外成熟と体外受精および胚の発育能の評価を進めた。さらに一層すぐれた救命因子の探索を進めた。具体的には、可溶性受容体、囮受容体等の検索を進めるとともに顆粒層細胞の細胞内アポトーシス調節因子(ゲートキーパーp53)の卵胞組織における機能を解析して救命因子としての有用性の可否を検討した。
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