2009 Fiscal Year Annual Research Report
リガンド非依存的エストロゲン受容体aの活性化は高血糖下での摂食抑制に必須である
Project/Area Number |
21659155
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小泉 昭夫 Kyoto University, 医学研究科, 教授 (50124574)
|
Keywords | 予防医学 / 遺伝疫学 / 社会医学 / 衛生学 / 医歯薬学 |
Research Abstract |
視床下部POMC neuronは、高血糖下での摂食を抑制する中心的な役割を果たす。この摂食抑制は、leptin-POMC系により仲介される。我々は、高血糖下で特異的なestrogen非依存型Estrogen receptor・(ERa)活性化の介在を示唆する現象を観察した。この高血糖下で特異的に作動するestrogen非依存型活性化の分子機構の解明を行う。 以前報告したように、Akitaマウスにcastrationを行うと摂食の抑制は認められたが、雄ERaKO Akitaマウス(以下Akita KOマウス)にcastrationを行ったところ、摂食の抑制は認められなかった。摂食の抑制が、POMCを介することを確認するために、血中レプチンおよび視床下部のPOMCのmRNAを定量した。AkitaマウスおよびAkita KOでは、ともに血中leptinの増加が認められたが、POMCの発現の増加は、Akitaマウスでのみ認められ、Akita KOマウスでは認められなかった。LeptinによるPOMCの発現には、leptin受容体、受容体を介する細胞内伝達経路が知られている。この経路の中で、STAT3は最初のシグナル伝達経路である。そこで、STAT3のリン酸化を見たとこところAkitaマウス、Akita KOマウスで同程度にリン酸化が認められた。このことから、leptinによるPOMC neuronへのシグナルは、STAT3までは伝達されていることが分かった。STAT3以降の下流で、ERaの関与が想定された。
|