2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大規模シークエンシング技術による慢性ウイルス性肝疾患の病態解明
Project/Area Number |
21659186
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
榎本 信幸 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20251530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 伸哉 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (70397298)
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Keywords | HCV / HBV / 次世代シークエンス / deep sequencing |
Research Abstract |
●次世代高速シークエンシングによる肝炎ウイルス変異体解析 次世代高速シークエンサーであるRoche Genome Sequencer Junior(GSJ)を用いて患者体内の肝炎ウイルス遺伝子の解析方法を開発、HCVのコア遺伝子、NS3遺伝子、NS5A遺伝子、HBVのpreS遺伝子のdeep sequencing解析を開始した。コア蛋白遺伝子に関しては70番アミノ酸がdirect sequencingでは均一と考えられた症例においても変異が低い頻度で存在し混在状態となっていること、この混在状態が病変進展あるいは肝発癌の過程において動的に変化していることを明らかとした。NS5A遺伝子についてはISDRを中心にインターフェロン治療中のquasispeciesの混在状態の変化をdeep sequencingにより解析することを可能とした。また、NS3プロテアーゼ遺伝子についてはすでにプロテアーゼ阻害剤治療前から、36番、54番などの耐性化アミノ酸部位に低い頻度で耐性変異をもつHCV変異体が存在することをdeep sequencingにより明らかとした。しかし、耐性変異が認められる症例でもプロテアーゼ阻害剤治療によりウイルス排除が得られたことからこれらの個々のアミノ酸変異だけではなくNS3蛋白全体のアミノ酸変異の組み合わせ解析することが治療反応の予測をする上で重要と考えられた。B型肝炎に関してはpreSのdeep sequencing解析を開発、病変の進展に伴ってpreS deletion変異体が増加することを明らかとした。
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