2009 Fiscal Year Annual Research Report
非アルコール性脂肪肝炎における肝細胞死とBcl-2ネットワーク
Project/Area Number |
21659188
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹原 徹郎 Osaka University, 医学系研究科, 准教授 (70335355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巽 智秀 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (20397699)
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Keywords | Bcl-2 / Bcl-xL / Mcl-1 / Bid / 肝細胞 / apoptosis / ノックアウト / Cre |
Research Abstract |
アポトーシスによる肝細胞死は非アルコール性脂肪肝炎を特徴づける病態である。肝細胞におけるアポトーシスの制御機構を解明することは、細胞死を標的とした脂肪肝炎の進行抑制に向けた治療法の開発に繋がる可能性がある。以前の研究において肝細胞アポトーシスの制御分子としてのBcl-xLの重要性を明らかにした。本年度は同ファミリー分子のなかのMcl-1の意義についてコンディショナルノックアウトマウスを用いて検討した。肝細胞特異的Mcl-1欠損マウスは正常に出生したが、Bcl-xL欠損マウスと同様の持続的な肝細胞アポトーシスを発症した。Mcl-1欠損によるアポトーシスはBak/Baxの欠損により完全に消失した。以上のことから、Mcl-1もBcl-xLと同様に肝臓の恒常性を維持する上で必須の分子であることが明らかとなった。Bcl-xLとMcl-1の関係を明らかにするために、肝細胞特異的Bcl-xL/Mcl-1欠損マウスを作成した。同マウスは生後12時間以内に肝不全にて死亡した。同マウスの肝臓は肝細胞が低形成であり、Bcl-xLとMcl-1は正常の肝細胞の発生に必須の役割を持っていることが示された。Bcl-xLあるいはMcl-1の欠損によるアポトーシスはBH3-only蛋白であるBidの欠損により低減した。このことは肝細胞アポトーシスがBcl-xL/Mcl-1やBal/Baxなどのcore Bcl-2ファミリーのバランスによってのみ制御されているのではなく、その上流のBH3-only蛋白も関与していることを意味している。本年度の研究により、肝細胞の発生と恒常性の維持にBcl-2ネットワークが関与していることが示された。
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Research Products
(4 results)