2009 Fiscal Year Annual Research Report
口腔内バイオフィルムの除去が小児糖尿病態因子に及ぼす影響
Project/Area Number |
21659475
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
香西 克之 Hiroshima University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10178212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳司 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (90263714)
光畑 智恵子 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10335664)
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Keywords | 小児糖尿病 / 口腔バイオフィルム / 歯周病原細菌 / 1型糖尿病 / 糖尿病マウス / HbAlc / 小児歯周病 / 硝酸メチル |
Research Abstract |
成人病などの全身疾患と口腔内の感染性疾患との間に密接な関係があることは,これまでいくつかの病態で明らかにされてきた。糖尿病、特に成人の2型糖尿病と歯周病に関しては相互に関与し、それぞれが互いの憎悪因子、あるいは改善因子となることが示されている。1型糖尿病は幼少期の早期に発症し、成人後は2型糖尿病同様の状況を示すことが報告されている。小児歯科では口腔内管理を行うことで糖尿病を発症している患児に対し、全身状態の改善、将来の口腔状態の悪化予防などを目的に早期に介入することが可能である。 今回の研究では1型糖尿病キャンプに参加した小・中学生を対象としたパイロットスタディにより、糖尿病患児群(以下DM群)と健常児群とを比較した。DM群はう蝕に関してはdft,DMFTともに健常児群に比較し低めであったが、歯周の状態としては骨吸収を認めないもののBOP+率、CPI≧1に関して健常児群より高く、この時期に視覚的変異は認めないものの、将来の歯周疾患憎悪危険因子を持っていることが確認された。 今後はこれらの結果をもとに、本年はDM患児のBOP、CPI高値の原因探索を目指し、口腔内の歯周病原性菌の分布、宿主因子として白血球の走化能、貪食能など調べ、また出血素因に関与する因子についても探索を行うことで、DM患児の歯周の特徴を明らかにする。他方、成人に続く時期としての思春期、青年期の特徴、並びにこの時期の重度歯周病と全身とのかかわりについて動物実験で明らかにする。
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