2010 Fiscal Year Annual Research Report
周産期における父親のうつ状態の推移と危険因子―社会的要因と生物学的要因の重要性―
Project/Area Number |
21659525
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Research Institution | Hyogo University of Health Sciences |
Principal Investigator |
西村 明子 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (20324783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末原 紀美代 兵庫医療大学, 看護学部, 教授 (90112044)
飯尾 祐加 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (70454791)
勝田 真由美 兵庫医療大学, 看護学部, 助教 (70514909)
大橋 一友 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
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Keywords | 産後うつ / 父親 / 危険因子 |
Research Abstract |
産後の父親のうつ状態が子どもの発達や行動に影響を及ぼすことが報告されている。我々は、産後1か月の父親と母親を対象に調査を行い、父親のうつ状態の関連要因は、「父親の雇用形態が非正規雇用または無職であること」、「父親が妊娠を望んでいなかったこと」、「父親が過去に精神的問題で医療機関を受診した経験があること」の3項目であることを明らかにした。しかし、横断研究のため、父親のうつ状態が産後の発症であるか否かについては不明である。 本研究の目的は、産後にうつ状態となった父親を抽出し、父親の産後うつ状態の危険因子を明らかにすることであり、研究デザインは、父親と母親を対象とした妊娠中から産後1年までのコホート研究である。今年度は、昨年度の文献調査の結果を基に、調査票の作成を行い、対象者への依頼方法を決定した。妊娠期の調査内容は、産後うつ状態の危険因子として、パートナーおよび父親自身の妊娠中のうつ状態(エジンバラ産後うつ病自己調査票:EPDS)、産科的情報(現在の子どもの数、現在パートナーが妊娠している子どもの数、不妊治療の有無、妊娠を望んでいたかどうか、胎児への言葉かけの状態)、健康状態および精神科的既往(現病歴、薬剤の内服の有無と種類、心理的・精神的な問題での医療機関受診歴、精神疾患の病歴、ライフイベントの有無)、属性(年齢、学歴、職業、雇用形態、週の労働日数と1日の平均的な労働時間、経済的不安の有無、親との別離経験の有無)とした。産後の調査項目は、うつ状態の有無、うつ状態の関連要因として、サポートの状況、里帰りによる別居の有無とした。父親への調査票の回収率は一般的に低いが、産後、母親が入院している期間に父親に直接依頼する方法が他と比較し最も回収率が高いという報告がある(Sherr et al.,2006)。そこで、父親に直接依頼することができる可能性が高い出産準備教室に参加し、出産準備教室の最後に、参加している母親と父親に対し、文書と口頭で依頼を行うこととした。 平成23年度の調査にむけて、研究計画書を調査協力施設の倫理審査委員会に申請し、平成23年度より調査を開始する予定である。
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