2010 Fiscal Year Annual Research Report
学童保育指導員の性被害・虐待被害児へのケア能力向上に向けた教育に関する研究
Project/Area Number |
21659526
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
鈴井 江三子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (20289218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 八千代 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10295149)
池田 理恵 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (70249051)
久我原 朋子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (60441482)
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Keywords | 性暴力 / 虐待 / 早期発見要因 / 学童保育指導員 |
Research Abstract |
岡山県内の学童保育指導員(以下、指導員)700名を対象に、性暴力や虐待を発見した経験の有無と、虐待に対する認識を明らかにした。データの回収数は676件、回収率は97%であり、有効回答数は669件、有効回答率は99%であった。 その結果、虐待の気付きの有無として、指導員の経験をするなかで、虐待に気づいた人は23.3%(157名)、気付かなかった人73.9%(501名)、欠損2.9%(20名)であった。虐待に気づいた人と気付かなかった人の属性を比較すると、気付いた人は気付かなかった人に比して経験年数、年齢、取得資格、勤務形態、勤務時間に有意差があった。虐待サインについての項目について比較すると、虐待に気づいた人の方が「言葉の発達の著しい遅れがある」「身体が不潔である」「異常な食欲がある」「多動である」「トイレを失敗する」「乱暴である」「衣服が洗濯できていない」「下着が交換できていない」「表情が無表情」「暴力をふるう」の10項目が有意に高い値であった。つまり、虐待に気づいた人の方がこれらの項目を虐待のサインとして捉えていた。一方、虐待に気づかなかった人は「身体的接触を極端に嫌がる」「暴力をふるう」の2項目が有意に高い値であった。また、虐待のサインとして点数が高かったのは「不自然な怪我やあざがある」7.6、「養育者との関係が悪い」7.0であり、次いで、「家に帰りたがらない」6.5、「下着が交換できていない」6.2、「身体が不潔である」6.0、「衣服が洗濯できていない」6.0、であった。また、「自傷行為が見られる」5.6、「家出をする」5.6、「うつ的、活気が無い」5.3、「表情が乏しい、無表情である」5.3、「視線を合わせない」5.2、「拾い食いをする」5.1等も虐待のサインとして捉えていた。つまり、虐待を発見する要因として、指導員の資格、経験年数、研修参加の有無が影響していることが明らかとなり、研修の必要性が示唆された。
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