2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会的不利条件下における女性と子供のヘルスリテラシー向上のための地域エフィカシー要件
Project/Area Number |
21659531
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
大西 真由美 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60315687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 和代 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00194069)
中尾 優子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40325725)
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Keywords | 社会的不利条件 / 地域エフィカシー / HIV陽性女性 / 授乳 / エイズ孤児 |
Research Abstract |
本研究目的は、1.様々な条件下におかれている授乳期にあるHIV陽性女性の健康水準ならびにヘルスリテラシー獲得状況を明らかにする、2.様々な条件下におかれているエイズ孤児の健康水準ならびにヘルスリテラシー獲得状況を明らかにする、3.これら社会的不利条件下におかれた女性と子供の生活水準に影響を及ぼす社会的付加のメカニズムならびに地域エフィカシーとの関連を明らかにする、である。 H22年度は、調査対象地域のひとつであるタンザニア国キリマンジャロ州の地域エフィカシーの分析の基礎データとして、地域プロファイルを作成、比較検討した。当該地域は、タンザニア国内の他州と比較し、乳児死亡率、妊産婦死亡率が低く、保健指標が良好に保たれていた。また、女性の識字率、専門技能者による出産介助率も他州に比べ高く、女性の好ましい保健行動を支える基本的能力の獲得ならびに基本的な地域エフィカシー強化要因の潜在可能性が示唆された。 同地域において、コミュニティ・リーダー、5歳未満児を持つ女性、保健センター職員らへのキーインフォマント・インタビューならびにフォーカス・グループ・インタビューにより、女性の授乳行動に対する家族およびコミュニティからの強いプレッシャー、つまりHIV陽性女性が母子感染予防のために授乳を回避することへの否定的な態度、ならびにエイズ孤児とそのケアや支援に対する抵抗感があることが明らかになった。 今後、研究目的の1および2に関するインタビュー調査ならびに健康水準の評価を実施し、より詳細な地域プロファイルとの関連を検証する計画である。
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