2010 Fiscal Year Annual Research Report
培養細胞及び個体レベルにおけるオーキシン誘導デグロン法基盤技術の開発
Project/Area Number |
21681027
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
鐘巻 将人 国立遺伝学研究所, 新分野創造センター, 准教授 (20444507)
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Keywords | 条件特異的変異体 / タンパク質分解 / 植物ホルモン |
Research Abstract |
昨年度までの研究により、私が開発したオーキシン誘導デグロン(AID)法が、出芽酵母だけでなく動物培養細胞にも有効に機能することが確認された。本年度は内在性遺伝子の改変が可能なDT40細胞を利用して、機能未知な因子に対するAID変異株を作成することで実際に機能解析が可能かどうか検証する実験を行った。これまで私が染色体複製に関する研究を行ってきたバックグラウンドから、出芽酵母には存在していないが高等真核生物には保存されており、染色体複製に関与することが示唆されているMCM-BPに関してDT40変異株を作成することにした。内在性MCM-BPを破壊したバックグラウンドに、デグロン融合型MCM-BPとOsTIR1を発現する株を得た。この株では、オーキシン添加後40分以内にほぼ全てのデグロン融合型MCM-BPが分解され、それに引き続いて細胞増殖の停止と細胞周期異常を伴う細胞死が観察された。今後はこの株を用いて、より深い機能解析を進めていく予定である。 一方これまでの研究により、元々用いていた25kDのデグロンは9kD程度まで短縮することが可能であることが明らかになっていた。そこで、この短縮型デグロンを3つ連結させたものが、より良く機能するか出芽酵母を用いて検証した。その結果、従来型の必須因子に対するデグロン株ではオーキシン存在下でも成育が見られた株も、3つに連結した改良型では、より強い生育阻害が見られることが明らかになった。今後は、この改良型のより詳しい検証を行い、培養細胞でも機能するか確認を行う予定である。
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