2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21682003
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小暮 実徳 Meiji University, 文学部, 兼任講師 (90537416)
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Keywords | 幕末期オランダ対アジア政策 / 幕末期オランダ対日外交政策 / 蘭領東インド / オランダ植民省 / 蘭領東インド総務局 / インドネシア現地調査 |
Research Abstract |
本年度はインドネシア現地調査が主目的であった。この調査では、19世紀、特に幕末期オランダ対日外交政策に関する自身の研究を、今までとは異なる新しい視点から検討することにより、同研究をより具体的かつ動的にすることが期待された。 19世紀蘭領東インドにおいて、日本問題を扱った部局は総務局である。この重要な文書としては、蘭領東インド総督決議文書、蘭領東インド評議会助言・考慮がある。これらはオランダ本国植民省にその複写が送られている。しかしながらその原本を直接検討し、より詳細な現地での考慮を理解するため、同文書を有するインドネシア国立文書館での調査を実施した。現地研究者との交流、またその協力を得られたことは、全く有り難く、素晴らしいことであった。しかしこの調査で、原本の保存状況が悪く、さらに当該文書は未だ編纂されておらず、文書の請求に極めて困難が伴うことが理解された。 そこで計画を変更し、インドネシア再調査に代え、オランダ国立文書館における当該文書複写の検討を行った。まず1850-1863年間の同文書をデジタル撮影し、PDFファイル化した。その後最終年度の19世紀中葉のオランダ対日外交関係史料集出版の考慮から、分析・検討し、全て翻字した。インドネシア調査では蘭領東インド総督決議の一原本を検討できた。これをその複写と比べ合わせることが出来た。これは史料比較・分析の点で、意義深かった。この原本は状態が悪くコピー出来なかったが、この複写から原本では読めなかった箇所を確認できた。その後は現地滞在の意義を生かし、最終年度の史料集出版の考慮から、植民省本省文書に含まれるインドネシアから発送された全文書(1850-1864)を複写(総計約10000コマ)し、PDFファイル化した。 大変実りある調査ができた。このような機会が与えられたことを、記して心から感謝します。
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Research Products
(3 results)