2012 Fiscal Year Annual Research Report
TRIUMFにおける世界最高精度での時間反転対称性の破れ探索実験
Project/Area Number |
21684012
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
村田 次郎 立教大学, 理学部, 教授 (50360649)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ベータ崩壊 / 時間反転対称性の破れ / ドリフトチェンバー / 偏極原子核 / 電子線 / 飛跡検出器 / TRIUMF / ISAC |
Research Abstract |
本研究は、偏極原子核のベータ崩壊における、時間反転対称性を破る三重相関の有無を、カナダのTRIUMF研究所において世界最高精度で探索する実験研究である。研究初年度である平成21年度に、S1183 MTV実験の検出器系の信頼性を確認するため、KEK-TRIACよりTRIUMFへ移設・ビームを用いたテスト実験を行ったのに引き続き、二年目にあたる平成22年度には本番のデータ収集を行い、初期の目標であった時間反転対称性の破れに関する世界最高の統計精度での検証実験を成功させる事が出来た。平成23年度は平成22年度に実行した本番実験のデータ解析を行い、特に系統誤差に関するモンテカルロシミュレーションに基づく研究と、そのオフライン解析での抑制方法とその効果についての検証を行った。それに加えて、パリティの破れと平面型ドリフトチェンバーがもつ幾何学的形状の非対称性に起因するこの実験の最大の系統誤差を根本的に解決しうる、次世代機としての円筒型ドリフトチェンバー(CDC)のプロトタイプを製作し、平成23年の秋にはTRIUMFにおいてビームを用いたテスト実験を行った。この実験の結果、平面型ドリフトチェンバーに比して空間電荷効果が強く抑制されることも確認し、また、トリガー検出器の及ぼす影響についても検証する事が出来、次世代実験のデザインを固めるうえで最も基礎的な情報を十分に得る事が出来た。平成24年度には、CDCを用いたMTV実験本番セットアップを完成させ、ビームを用いた最終試験を行い、次世代実験の準備を完了させることができた。具体的には、CDC外部に電子エネルギー計測用の検出器を設置、また、内部にトリガー系を設置し、さらにCDCの全部のチャネルからの読み出し回路を整備してデータ収集が可能な状態にした上で、ビームを用いた実証実験を行い、性能評価を行った。その成果は物理学会でも報告している。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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