2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21688007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 道憲 京都大学, 農学研究科, 助教 (00335308)
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Keywords | ABCタンパク質 / 脂質 / 界面活性剤 / 脂質ラフト / 輸送基質 |
Research Abstract |
高脂血症は動脈硬化の危険因子となるため、脂質恒常性維持機構の解明は社会的に強く要請されている。ABC(ATP-binding cassette)トランスポータースーパーファミリーに属するABCGタンパク質(ABCG1,ABCG4,ABCG5,ABCG8)が、脂質排出を介して生体内の脂質恒常性維持に重要な役割を果たすことが分かりつつある。細胞の余剰脂質を排出するABCGタンパク質の輸送機構は、直接細胞外へ排出するのか、それとも膜環境を変化させることで脂質がアクセプター分子によって引き抜かれるかも含め、分かっていない。そこで、ABCGタンパク質による脂質排出の分子基盤を明らかにすることで、生体の脂質恒常性維持機構を解明することを本研究課題の目的として実験を行った。 ABCG1を動物培養細胞に発現させ、可溶化条件を検討したところ、ドデシルマルトシドを含む複数の界面活性剤で可溶化出来た。ヒスチジンタグを利用して精製し、リポソームへの再構成にも成功した。ABCG1,ABCG4によるコレステロールとコリンリン脂質以外の脂質輸送を検討したが、検出されなかったことから、ABCG1はコレステロールとコリンリン脂質、ABCG4はコレステロールを輸送基質とすることが示唆された。ABCG1,ABCG4の発現により、細胞の脂質ラフトドメインが壊れることを見出し、脂質の細胞膜上での再分配がABCG1,ABCG4による脂質排出に重要であることを示唆した。
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Research Products
(7 results)