2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21688007
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 道憲 京都大学, 農学研究科, 助教 (00335308)
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Keywords | ABCタンパク質 / 脂質 / アルツハイマー病 / アミロイド |
Research Abstract |
高脂血症は動脈硬化の危険因子となるため、脂質恒常性維持機構の解明は社会的に強く要請されている。ABC(ATP-binding cassette)トランスポータースーパーファミリーに属するABCGタンパク質(ABCG1,ABCG4,ABCG5,ABCG8)が、脂質排出を介して生体内の脂質恒常性維持に重要な役割を果たすことが分かりつつある。細胞の余剰脂質を排出するABCGタンパク質の輸送機構は、直接細胞外へ排出するのか、それとも膜環境を変化させることで脂質がアクセプター分子によって引き抜かれるかも含め、分かっていない。そこで、ABCGタンパク質による脂質排出の分子基盤を明らかにすることで、生体の脂質恒常性維持機構を解明することを本研究課題の目的として実験を行った。 動物培養細胞で発現精製したABCG1が、ATP結合が起こらないABCG1変異体より高いATP加水分解活性を持つことを示した。ABCG1とABCG4がコレステロール代謝制御タンパク質群と直接相互作用すること、内在性のABCG1でも相互作用することを明らかにした。アルツハイマー病に関与するAPP変異体を安定発現した動物培養細胞におけるABCG1またはABCG4の発現により、APP変異体の細胞膜上の発現量が上昇する一方、アミロイドβの分泌は減少することを明らかにした。これはラフト構造の変化を介してγ-セクレターゼの活性が低下した結果であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)