2010 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠期からの早期育児支援プログラム:アジア2カ国での科学的効果検証
Project/Area Number |
21689019
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
後藤 あや 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (00347212)
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Keywords | 社会医学 / ストレス / 育児 / 母子保健 / 国際保健 / 国際研究者交流 / ベトナム |
Research Abstract |
本研究では、欧米で効果が実証されている妊娠中(オーストラリアMatthey Sらの夫婦間の共感を高めるプログラム)と産後早期(カナダの「完璧な親なんていない」プログラム)育児支援プログラムの、日本とベトナムでの適応・実施・評価を段階的に行っており、各領域についての成果を報告する。 1.日本における産後プログラム:福島県須賀川市において上記モデルプログラムをもとに、精神健康度が低い傾向にある母親を対象に育児学級を実施し、短期的には精神健康度・育児状況を向上するるが、長期的には心理面で継続支援が必要であることを明らかにした(論文掲載)。 2.ベトナムにおける産後プログラム:上記1の越語版を作成してスタッフトレーニングを行った上で、産後プログラムを試験的にホーチミン市の病院で実施し、現地での実行可能性と母親のプログラムの受容を確認した(投稿中)。基礎資料として、ベトナムにおいても産後うつは育児状況に関連し、背景要因にソーシャルサポートがあることを明らかにした(印刷中)。 3.日本における産前プログラム:オーストラリアの開発者から使用許可を得て、前年度に日本の保健現場に適応するよう翻訳・改変したプログラムを、福島県白河市にて実施開始した。基礎資料として、産後1年未満の父親の育児の自信と母親の自己効力感に、妊娠届出時の要因(父親:妊娠届出時の未婚や里帰りなど、母親:妊娠届出時の気持ち、体調不良など)が関連することを明らかにした(論文3編掲載)。 4.ベトナムにおける産前プログラム:産前プログラムの試験的実施を、ホーチミン市の病院で8月に予定しており、日本で実施中のプロトコールを越語訳した。また、メンタルサポートの必要性とプログラム普及を目的としたビデオを作成中である。
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