2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模交通シミュレーションのための人間行動モデリングの研究
Project/Area Number |
21700161
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
服部 宏充 Kyoto University, 情報学研究科, 助教 (50455581)
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Keywords | エージェントシミュレーション / モデリング / 参加型モデリング / ベイジアンネットワーク / 交通シミュレーション |
Research Abstract |
マルチエージェントに基づく交通シミュレーションの実現のため,1) 運転行動モデル,および2) 大規模交通シミュレータの構築を行った. 1) 運転行動モデルの構築 人間の運転行動を再現するための計算モデルの構築を行った|参加型モデリングの技術の援用により,実際の入間の運転行動データに基づいた計算モデルを下記の手順で作成した. 1. 仮想道路環境を提供するドライビングシミュレータ上で走行シミュレーションを実施し,人間の運転行動ログを得る. 2. 収集したログデータから,特徴的な行動がとられた箇所を特定する. 3. シミュレーションで観測された運転行動の理由・動機を明らかにし,ルール形式の先験的知識として抽出する. 4. 被験者の観測事象を述語論理に基づき形式的に記述する. 5. 先験的知識として抽出した運転行動ルールと観測事象に基づき,被験者の走行を説明可能な運転行動モデルを構築する. 2) 大規模交通シミュレータの構築 細粒度の運転行動モデルに基づく多数のエージェントによる大規模交通シミュレーションの実行基盤を開発した.本シミュレータの構築では,経路選択に関連した熟考的な行動決定と,運転行動に関連した即応的な行動決定を行う機能を実現するエージェントを設計した.その上で,マルチエージェント交通シミュレーションツールキットMATSimをベースとした経路選択機能と,新規に実装した周辺環境情報に基づいて運転行動を決定可能とする運転行動の逐次決定機能を連携動作可能とし,細粒度の運転行動を表現可能な大規模シミュレーションを実現した.本シミュレータ上で京都市で実施された社会実験を再現し,一定の再現性が得られる事を確認した
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