2009 Fiscal Year Annual Research Report
静脈認証の脆弱性の指摘と動的要素を付加した静脈認証の提案
Project/Area Number |
21700201
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西内 信之 Tokyo Metropolitan University, システムデザイン研究科, 准教授 (70301588)
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Keywords | 生体認証 / 静脈認証 / 脆弱性 / 行動的特徴 / 身体的特微 |
Research Abstract |
本研究では、多くの金融機関などで用いられている静脈認証での"なりすまし"の可能性、認証システムとしての脆弱性を指摘し、さらに、なりすまし耐性を有する新しいバイオメトリック認証として、人間の動きを取り入れた静脈認証を提案することを目的とする。動きを利用することによりなりすまし耐性を有し、連続的な二次元画像情報から、三次元の形状情報を再構築することで更にセキュリティが向上すると考えられる。本研究の目的を達成するために明らかにする課題は、(Step1)静脈パターン画像取得のための実験装置構築と基本アルゴリズムの作成、(Step2)静脈認証におけるなりすまし検証実験、(Step3)動的要素を加味した照合のアルゴリズムについての検討、の三つである。これら三つの課題を、研究計画に従い遂行する。本年度においては、(Step1)を遂行した。近赤外線は、生体組織に対して透過性が高く、還元ヘモグロビンには吸収されるという特徴があるため、これまでの静脈認証装置では、近赤外線を照明装置とした光学系の機器構成が一般的であった。しかし、本研究の目的にあるように、指の動きを伴うため、取得画像中で指の背景部分に近赤外線照明の直接光をCCDカメラで撮影してしまい、適切な静脈画像が得られなかった。そこで、偏光フィルタを近赤外照明側とCCDカメラのレンズ側に、偏光方向が直角になるように設置し、指を通過した散乱光の近赤外線のみが静脈像としてCCDカメラで撮影できるようにした。以上の装置構成より、指の動きを伴った場合でも、安定して静脈画像を取得することができた。また、取得画像から静脈パターンを抽出する基本アルゴリズムを作成した。
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Research Products
(3 results)