2011 Fiscal Year Annual Research Report
静脈認証の脆弱性の指摘と動的要素を付加した静脈認証の提案
Project/Area Number |
21700201
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西内 信之 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (70301588)
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Keywords | 生体認証 / 静脈認証 / 脆弱性 / 行動的特徴 / 身体的特徴 |
Research Abstract |
本研究は、従来の静脈認証の脆弱性を指摘し、なりすまし耐性を有する新しいバイオメトリック認証として、動的要素を付加した静脈認証を提案することを目的としている。動的要素を付加することにより、連続的な二次元画像情報から、三次元の形状情報を再構築することで更にセキュリティが向上する。本研究の研究実施計画は、(Step1)静脈パターン画像取得のための実験装置構築と基本アルゴリズムの作成、(Step2)静脈認証におけるなりすまし検証実験、(Step3)動的要素を加味した照合のアルゴリズムについての検討、の三つである。本年度は(Step3)を深く掘り下げ研究を進めた。 本研究での動的要素は、従来の行動的特徴のような動きの中の特徴を認証に利用するのではなく、連続的な動きの中で静的な身体的特徴を比較するためのパラメータとして利用するというものであり、すなわち動的要素からは身体的特徴の同期パラメータのみの抽出に限定している。本年度は、この考え方に基づき、(Step3)において、動的要素として「指の回転運動」、「指の屈伸運動」を静脈認証に付加する新たな静脈認証法についての検証を行った。指の回転運動は、鍵を鍵穴で回すように人差し指を回転させる動作であり、このときの身体的特徴は静脈パターンで、岡期パラメータには指の幅を用いた。一方で、指の屈伸運動は、人差し指を屈曲させる動作であり、同様に身体的特徴は静脈パターンで、同期パラメータには指の角度を用いた。作成した照合アルゴリズムの認証精度評価実験を行った結果、認証精度を評価するパラメータのFER(他人受入率)とFRR(本人拒否率)が等しくなるEERの値は、屈伸運動の場合は0.05、回転運度の場合は0.03であり、共に高い認証精度を得ることができ、本研究の目的である動的要素を付加した静脈認証の有効性が確認された。
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Research Products
(4 results)