2010 Fiscal Year Annual Research Report
マーモセット運動ニューロンを用いたALS2原因遺伝子産物の分子機能解析
Project/Area Number |
21700397
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大友 麻子 東海大学, 医学部, 特定研究員 (50535226)
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Keywords | マーモセット / ES細胞 / 筋萎縮性側索硬化症2型 / ALS2 |
Research Abstract |
本研究は、ヒトに類似性の高い霊長類の運動ニューロンを用いて作製したALS2タンパク質欠失細胞を用いてALS2タンパク質の機能を明らかにし、ALS2タンパク質機能喪失による神経細胞死や機能異常の分子背景を解明することを目的とする。 本年度は、1.マーモセットALS2遺伝子に対するノックダウンベクターの構築、2.マーモセットES細胞へのプラスミドベクターの導入方法の確立、3.プラスミドベクターのALS2遺伝子発現抑制効果の確認、4.マーモセットALS2遺伝子発現抑制ESクローンのスクリーニングを試みた。 昨年度までに取得したマーモセットALS2遺伝子のコーディング領域のDNA配列情報をもとにpSingle-tTet-shRNA vectorを基本骨格として用いて、マーモセットALS2遺伝子を特異的に発現抑制するノックダウンベクターを構築した。pSingle-tTet-shRNA vectorの骨格にIRES配列の下流で、蛍光タンパク質mCherryを発現するDNAフラグメントを挿入し、ベクター骨格を改造した後に、現在ヒトALS2遺伝子に対して効果的に発現抑制効果を発揮するALS2遺伝子上の21bpと相同領域を挿入した。次に、プラスミドベクターをES細胞の導入するために、種々のトランスフェクション試薬を用いて、ベクターの細胞への導入条件を決定した。さらに、このベクターが蛍光タンパク質mCherryを発現し、さらには、ALS2の発現抑制効果を持つことを、構築したベクターをマーモセットES細胞に導入した後に、回収した細胞から抽出したタンパク質サンプルを用いたウエスタンブロット解析によって解析した。その結果、プラスミド導入効率が低いことに依存して、mCherryの発現及びALS2遺伝子の発現抑制効率は低かったものの、プラスミドベクターの導入によって、内在性ALS2タンパク質の存在量の減少が認められた。よって、今回構築したプラスミドベクターは、ALS2遺伝子に対する発現抑制効果を持つことが明らかとなった。現在、この改変を加えたプラスミドベクターを用いてマーモセットALS2遺伝子をテトラサイクリン依存的に発現抑制するES細胞株のスクリーニングを行っている。
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